一ヶ月に2回満月を迎える月を「ブルームーン」という。 そのブルームーンを見ると願い事が叶う・・・・。






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「我慢すること」

...2018/07/08 09:43...

昨日の七夕の夜は、多少の雲があるものの
東京は見事な七夕日和でした。一方では、
西日本方面など、七夕の日なのに特別警報が
出るほどの記録的な大雨が降ってしまいました。

牽牛と織女の涙雨と言うには量が多すぎます。
避難指示などで他地域も多く、また、死傷者も
これが 「雨のため?」 と目を疑ってしまうほどの人数に。

梅雨の終わりには大雨が降ることが多いと言いますが、
すでに梅雨は明けてるし、今年は少々桁外れだった
ようです。皆さんのところは大丈夫だったでしょうか?
被害の遭われた方々には心からお見舞い申し上げます。

気象庁が 「これまでに経験したことのない大雨」
として、数十年に1度の異常な大雨に最大の警戒
を呼びかけた 「大雨特別警報」。西日本を中心に
河川の氾濫や土砂災害が相次いでいます。

尊い生命や家屋などの貴重な財産を奪うなど、
甚大な被害をもた らしているようです。
いったい、近頃の気象状況はどうなっているのでしょう。
これも温暖化のせいでしょうか? 心配ですね。

雨も必要ですが、「程々」 に降ってくれたらなあと思う。
降らなければ降らないで文句をいい、降ったら降ったで
文句をいう。どっちなんだ? お天道様にそう叱られそうです。
なかなか、人間の都合どおりには行きませんね。

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さて、友人が西瓜を送ってくれた。少し小ぶりながら包丁を入れると
真っ赤に熟れていて、なんとも豊潤な甘さだ。スイカ特有のシャリ
シャリとした食感で、とても美味しかった。

こんなにおいしいとなれば、せめて両親に食べさせたいところだ。
両親が我が家に立ち寄ったころには、もうそんなに残っていない。
ほかの到来物をご馳走して、西瓜の話はせずじまい。
夕食後、口に出さなかったが、うしろめたい思いで最後の分を
平らげた後で、かみさんが 「とうとう両親に食べさせないで、
自分たちだけで食べてしまって!」 と言いながら、皮に貼って
あったラベルを眺めながら 「いやだ、これ 「ひとりじめ」 って
いう銘柄みたい」。まるで人の気持ちを先どりしたような、
うまいネーミングに、思わず笑ってしまった。

夏至が過ぎ、少しずつ日が短くなっているようで。
やっと夏がくるというところなのに、日は少しずつ暮れて
いくのですね。そして、1年の折り返し地点である7月です。
下半期、心機一転、気持ちよく元気に過ごして参りましょう!


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「我慢すること」

「我慢しなさい!」 って子供のころからよく言われた。
日本人は特に我慢強い民族だと思うのですが、第二次
大戦の影響が大きいのでしょうか? おそらく、あのころは
国中が我慢と言う言葉が飛び交っていたに違いありません。
我慢を 「美徳」 として、そのせいでもしかしたら、無意識に
いろんなことを我慢することを習慣にしてたのかもしれません。

先日、職場で休憩中にコーヒーを飲もうと自動販売機へ
走ったが故障らしく使えない。職場へ戻って、「一服する時は、
やっぱり飲み物が必要だな」 と同僚と苦笑いしながら話して
いたら、後輩が気をきかせて私たちの分も購入して戻ってきた。
何人もの人が諦められず、自販機やコンビニへ走ったようだ。

何事もなかったように休憩時間を過ごしたのだが、考えて
みたら、普段、当たり前であったものが突然、失うこともある。
その時、我慢することも出来たはずだ。「我慢」 をする。
最近あまり使わなくなっている気がする。「我慢」 という
人間にとっても大切なことが、今、失われていないだろうか。

店が閉まった後に必要になったものや欲しいものが手元に
なくとも、明日まで我慢せずにコンビニへ走って買うことが
できる。電話を掛けて、相手が不在であきらめていたのが、
携帯電話ならメールでも24時間追いかけることができる。
店が遠くて入手をあきらめていたものが、ネットで注文が
でき翌日には届く。時間的、地理的制限などで我慢して
いた欲求を満たすことが出来る昨今なのです。

その結果、物でも人でも、とにかく欲しいものは今すぐ
手に入るのが当然、と思う心理が多くの人の心の大部分
を占めていないだろうか。その代わりに、待つ、我慢する、
時にはあきらめるという習慣が失われている気がします。

「欲しいものを我慢する」 いろんなところに我慢って使っ
ています。欲求というのは誰にでも当たり前にあって、かつ、
強いものですから、自分が今どうしたいのか? を、自分に
確認していくと、少しずつ自分の気持ちが見えてきます。
欲求の他には 「好きなことやモノ」 をチェックしたり、時々
自分が何が欲しく、何に役立つのかを考えると比較的、
受け取りやすいんですね。ここは歯を食いしばってでも
我慢する必要があることも少なくありません。つまりは、
そのしんどい感情を未来への希望という形で解放して
いる、といえます。

自制心というのは、人間にとって確かに大切な力です。
自分をコントロールできるか? ところがそれが 「我慢」
という言葉に結びついているようです。それが誤解を生む
こともあります。人それぞれ我慢の価値観が違うのです。
だけど、私たちは、『我慢する』 ということの先に、自分が
成長していることを知っています。そうやって、先祖代々
ここまで来ました。だから、大人は若い人たちに伝えて
いかなければいけない。我慢することもまた、自分を
磨くことの一つなのだと・・・・。

社会生活をしている限り、すべて自分の思い通りにはならない。
けれど自分も、相手も、時には我慢できなければどうなるのか・・。
もう一度、「我慢すること」 を思い出し考えてみたい。


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「プーシキン美術館展 」
 ―旅するフランス風景画―
  東京都美術館

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モネの名作 「草上の昼食」 が、初めて日本で公開されると聞き、
見逃すわけにはいきません。4月からの開催だったので、まだ
大丈夫と思っていたら会期末を向け、慌てて鑑賞してきました。
芸術の秋ならぬ真夏の芸術を堪能して来ました。さあ、風景画
の旅へ ――。海へ、森へ、山へ、―― もっと遠くのパリへ。

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プーシキン美術館の名を世界的なものにしているのは、何と言って
も名品揃いのフランス近代絵画コレクション。印象派からマティス、
ピカソまで、世界的な名画の逸品が数多く揃っている。そのコレク
ションをもたらしたのは、革命前のモスクワで財を成した伝説的な
二人のコレクター、セルゲイ・シチューキンとイワン・モロゾフです。
シチューキンは親の代からの繊維商で豪商として知られ、モロゾ
フは名門貴族の出で、絹織物の工場などを所有していた。二人は
19世紀末から20世紀にかけて、超一級のフランス絵画収集家。

「東京都美術館」
「都民のための美術の振興を図る」 いう目的で都が設置する公立
美術館。美術館や動物園などの文化施設が集積する通称 「上野
の山」 の一角に位置し、東京を代表する文化施設群の一翼をなす。
大正15年 (1926) に日本で最初の公立美術館として開館しました。

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会場入口からその雰囲気を存分に出しています。プーシキン美
術館展は、これまでにわが国でも2度にわたって大規模なスケー
ルで開催されており、ファンは多い。しかも、会期末とあって混雑
を覚悟で出掛けたのですが、意外にもスムーズにチケット購入も
入場も出来ました。館内も珍しく、ゆったりと鑑賞出来て、これが
望ましい美術展かなと満足でした。

「プーシキン美術館展 ―旅するフランス風景画―」
会 期    :  2018年4月14日 (土)~7月8日 (日)
会 場    :  東京都美術館 (東京 ・ 上野公園)
開館時間  :  9 時~17時30分 ※金曜日は20時まで。
観 覧 料   :  一般1600円 大学生1300円 高校生800円
           65歳以上 1000円

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珠玉のフランス絵画コレクションで知られるモスクワのプーシキン
美術館から、 17世紀から20世紀の風景画65点を展示。神話の
物語や古代への憧憬、あるいは身近な自然や大都市パリの喧騒、
果ては想像の世界に至るまで、描かれた時代と場所を軸にフラ
ンス近代風景画の流れをご紹介します。なかでも、初来日となる
モネの 《草上の昼食》 は、モネが印象派の画家として花開く前、
20代半ばで描いた作品です。今回は 「風景画」 に的を絞って
の展示で、テーマは 「旅」 でした。

第1章  近代風景画の源流
17世紀後半から19世紀前半頃の作品が並ぶコーナーです。それ
まで絵画の中で風景画というのはオランダ絵画などの例外を除くと、
一般的には立場が低く、宗教画や歴史画が主流の中で,その背景
程度に思われていました。しかし18世紀後半になると、ようやくひと
つの画題として定着していきます。風景画がいかに誕生したのか、
初めはどんなものをテーマとして扱っていたのかの作品を紹介。

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クロード ・ ロラン 「エウロペの掠奪」 1655年  (左)
人物がとても小さく描かれていて、完全に風景がメインの作品の
ように見えますが、この絵はギリシャ神話の一場面が繰り広げら
れています。フェニキアの王女エウロペに一目惚れしたゼウス。
彼は白い牡牛に姿を変えて、侍女たちと花を摘んでいたエウロ
ペに近づき、彼女を連れ去ってしまいます。背景には、暴力的
な場面とは対照的に美しい自然が広がります。17世紀頃まで
風景は、こうした神話や聖書の物語の背景として描かれてきた
ようです。海や空は穏やかな雰囲気だから、これから誘拐事件
の現場になるとは思えないのですが、これが嵐の前の静けさと
いうやつなんでしょうね・・・・。

クロード=ジョゼフ ・ ヴェルネ 「日没」 1746年  (右)
これは夕日を背景に入港してくる船を描いたもので、離れて観た
時にクロード ・ ロランの作品かと思いました。全体的にオレンジ
がかった叙情的な光景で、風景そのものが主題となった感じです。
この隣には対になる日の出の港を描いた作品もありました。解説
によると、この作者はイタリアに20年滞在したそうで、その影響が
この作品に出ているそうです。穏やかな夕暮れの光が画面全体
を包み込んでいますね。

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ジャン=バティスト ・ マルタン 「ナミュール包囲戦」 1692年  (左)
こちらはナポレオンの妻が所有していたという作品で、ルイ14世の
頃の戦いを描いたものです。川の対岸の丘にある砦を攻めている
様子が描かれています。煙が立ち上り、手前には兵士たちの姿も
あり、恐らくもう勝った後なんじゃないかなと思います。解説による
と、この作者は 「戦いのマルタン」 と呼ばれたそうで、こうした戦争
物を得意としたようです。主題としては歴史画ですが、遠近感が
しっかりした風景画としても見事な作品でした。

ニコラ ・ ランクレ 「森のはずれの集い」 1720年代後半  (右)
こちらは、きらびやかな衣服を身にまとった貴族の男女が戯れる
場面。ギターを持って横たわる赤い服の男と、帽子の女に抱きつ
こうとして拒否されている青い服の男、さらにそれを観ている数人
の人物の姿が描かれています。彼らが繰り広げる恋のやりとりを
想像させてくれます。滑稽な場面が面白いのでそこに目を奪われ
ますが、背景に注目すると野山が広がっていて雲に霞む様子や
廃墟など巧みな表現で雄大な景色となっていました。これもまだ
まだ風景は脇役といった感じです。風景抜きでも面白いし作品。

第2章  自然への賛美
続いては自然の風景を描いたコーナーです。19世紀は市民の時
代となり、彼らは神話などではなく何気ない日常や現実と結びつい
た光景を志向したようです。ここには19 世紀前半から後半にかけ
ての作品が並んでいました。

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レオン=オーギュスタン・レルミット 「刈り入れをする人」 1892年 (左)
こちらはミレーから影響を受けた画家による、農村での麦の刈り入れ
風景を描いた作品です。2人の女性が後ろ姿で描かれ、1人は藁束
を持ち、もう1人は屈んでいます。割と大胆な筆致で描いているので
すが、不思議と藁の質感が出ているのが面白いです。労働なので
大変な光景だとは思いますが、色合いの軽さが明るく感じ、背景が
広めなため開放的な印象も受けました。この画家はゴッホにも影響
を与えたのだとか。

ジャン=バティスト=カミーユ・コロー 「夕暮れ」 1860-70年 (右)
こちらは夕焼けを背景に立つ背の高い木々と、その下で2人の人物
が空を眺めている様子を描いた作品です。明暗が強く、暗い森のお
かげで夕日が輝いて見えます。細部はそれほど細かく描かれておら
ず、ぼんやりと柔らかい雰囲気となっていました。コローらしい叙情
的な作品です。

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ギュスターヴ ・ クールベ 「山の小屋」 1874年頃  
パリ ・ コミューンの際にヴァンドーム広場の記念柱を破壊した責任
を問われ、クールベはスイスへ亡命します。亡命中に描いた晩年
の傑作 《山の小屋》 です。クールベは、故郷を想いながらもスイス
で58歳の生涯を閉じることとなりますが、その3年前に描かれた作
品のようです。雪に覆われたアルプス山脈の頂を背景に、素朴な
山小屋の姿が描かれています。雄大な自然と共に、煙突の煙や
洗濯物などで、人の営みによる温もりも感じられます。粗目の筆
致が活かされた素晴らしい出来栄えの作品でした。

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様々な情景を舞台にした風景画は、その土地の匂いや太陽の煌
めき、風にそよぐ木々や街のさざめきも感じさせてくれます。画家
たちが、その豊かな想像力を駆使し、新縁がまぶしい季節に巨匠
たちが愛しい光と色彩が躍る美しい風景を廻る 「旅」 を楽しめる。

第3章  大都会パリの風景が
パリを描いた作品のコーナーです。ナポレオン3世の時代にオス
マン男爵によってパリは大改造されたわけですが、それ以外にも
パリ ・ コミューンや普仏戦争からの復興によって街は大きく変わ
った時代だったようです。ここには、そうした19世紀末から20世
紀初頭にかけてのパリの街を描いた作品が並んでいました。

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ジャン=フランソワ・ラファエリ 「サン=ミシェル大通り」 1890年代 (上)
街灯がともり始める夕暮れの通りを、多くの人や馬車が行き交う街
の様子を描いた作品です。奥に臨むドーム状の建物は、フランス
に貢献した偉人の墓所となっているパンテオンなそうです。さっき
まで雨が降っていたのか路面が湿っていて光が反射するような感
じです。建物や人は割と細かく描いてるのですが、地面はかなり
大胆な筆致となっていて、軽やかな印象を受けました。当時の賑
わいがそのまま現れたようなパリっぽさを感じる1枚でした。
アルベール ・ マルケ 「パリのサン=ミシェル橋」 1908年頃 (下左)
マルケはかつてマティスも暮らしたというサン=ミシェル河岸に移り
住んだようです。その部屋の窓から見下ろすように、少し高い視点
からサン=ミシェル橋の往来が描かれています。抑制された穏やか
な色調、巧みに単純化された形態で、詩情豊かにパリの街角が
表されています。落ち着いたトーンの色調と、対象物をデフォルメ
することによって生まれる味わい深さが感じられる作品ですが、
まるで、おもちゃの世界を見下ろしているかのような絵でした。
ピエール ・ カリエ=ベルーズ 「パリのピガール広場」
画面に描かれていない建物が、通りに影を落としています。右下
の街灯にはしごを架けて灯を入れるような様子も見えることから、
夕刻の往来でしょう。少し高い位置から俯瞰で捉えられた通りに
はカフェなどの店が並び、箒を持つ掃除屋、子供を連れた乳母
をはじめ、さまざまな人物が描かれています。ピガール広場を
歩いてみたい感じがします。 1880-90年代頃  (下右)

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        ピエール=オーギュスト ・ ルノワール
    「庭にて、ムーラン ・ ド ・ ラ ・ ギャレットの木陰」
 1876年
木陰で楽しげに語り合う男女を穏やかな姿で描かれています。
タイトルにある 「ムーラン ・ ド ・ ラ ・ ギャレット」 は、パリのモンマル
トルにあったダンスホール。背景の緑に溶け込むように、人々も自
然も優しく穏やかな筆の運びで表されており、彼らが幸せなひと時
を過ごしていることが伝わってきます。しかし、ルノワールにしては
陰影が濃く感じられて、日差しの強さまで伝わってくるようでした。
作品裏面の書き込みによると、後ろ姿の女性はルノワールのお気
に入りのモデルで、その後ろから顔をのぞかせているのは画家の
モネのようです。

第4章  パリ郊外 -身近な自然へのまなざし
この章は、パリ近郊の風景を描いた作品が並ぶコーナーです。
ここには印象派やフォーヴィスムの作品などが並んでいました。
今回のプーシキン美術館展で、最も注目されるのは、初来日となる
クロード ・ モネの 「草上の昼食」。エドゥアール ・ マネによって描か
れた同名の 「草上の昼食」 に刺激を受け、モネが描いたものです。

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アルフレッド ・ シスレー 「霜の降りる朝、ルーヴシエンヌ」 1873年 (左)
ルーヴシエンヌは、セーヌ川沿いの町なんだそうです。限られた色
彩で描かれる町並みと、画面の半分ほどを占める白ばむ空が、霜
の降りる冬の朝の凛とした空気を伝えてくれます。中央の道には、
朝のあいさつを交わすかのように歩みを止めた二人の人物が見
えます。こうした何気ない日常の描写に、画家の身近な風景に
対する温かなまなざしが垣間見えますね。

アンリ ・ マティス 「ブーローニュの森」  1902年  (右)
パリの西側に広がるブーローニュの森は、ルーヴル美術館から
ほど近い場所にあるようです。マティスは、森の小道の写実的な
描写よりも、彼自身が感じた印象を表そうとしているようです。
木々は現実に見える色彩を保ちながらも、形態はやや単純化
され陽光は幅の広い筆触で大胆に小道に差し込んでいます。
これもマティスの絵なんだぁ~、と単純に思いました。

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       クロード ・ モネ 「白い睡蓮」  1899年
モネは自宅に隣接した土地を新たに購入し、庭に自らの理想の
風景を造り上げていきました。そのモネがつくりあげた 「水の庭」。
光の反映によって表情を変える水面と岸辺の風景が、緑色を中心
としたみずみずしい色彩で表されています。モネの凄いところは、
筆の流れる方向で素材を描き分けているところです。縦の線は柳、
横の線は睡蓮の葉っぱ、みたいな感じです。ザザザッと時間をか
けずに描くために、モネが編み出した手法なんじゃないかな。とに
かく離れると写真っぽくて、近くで見ると絵みたいな感じです。(笑)
モネは太鼓橋の架かる睡蓮の池をモチーフに、「睡蓮」 を繰り
返し描きますが、この作品は最初期の1点のようでです。

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クロード ・ モネ 「草上の昼食」  1866年  日本初公開
初来日となるモネの 《草上の昼食》 は、登場人物と自然の風景が
見事に調和しています。印象派の誕生前夜、26歳となる若きモネ
の魅力溢れる作品です。特に銀杏の木の木漏れ日のタッチがモネ
の魅力があふれている感じがします。ただ、人物の描写はやや固
い印象で、画面中央の右側の女性なんか顔面蒼白です。何か悪
い食べ物に当たったのか、と心配になるレベルでした。(笑) 総じ
て、モネは人物を描くのが苦手なのかな・・・・と。風景の描写は、
ピカイチなのにね。もしかしたら、この絵をきっかけに、「・・う~ん。
俺は風景画で行こう」 と、若き日のモネは思ったのかもしれません。

絵画の世界に衝撃を与えたマネの同名の作品 「草上の昼食」 に
影響を受け、描いたといわれます。サロンに出展しようと挑みます
が、この大作は未完成に終わり、大作の最終下絵として、下絵に
後々手を加えて、最終的に一つの作品として完成させたものだと
思われるようです。木々の下でドレスやスーツを着た男女がピク
ニックのように昼食を並べている様子が描かれ、後の妻となる
カミーユや友人のバジールなどがモデルとして描かれています。

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解説にもありましたが、青春真っ只中のモネが描く 「草上の昼食」。
愉悦に満ちたピクニックの情景。魅力がいっぱい詰まっています。
男女のなごやかな集いを見ていると、モデルは誰なのか。親密な
会話で何を語られているのやら。横たわる男性の足の長いこと。
右端に離れて座り、宴を伺う謎の姿。(左) そして、大木の幹に
彫り込まれたPのイニシャルと矢で打ち射られたハートのマーク
は、誰かの恋愛をほのめかしているのか。(左) この絵には一
見しただけでは不明瞭なモチーフが、さりげなく散りばめられて
いるのです。謎めいたサインは何を意味するのか、推理する
のも楽しい。モネの若さが感じられる一枚の絵でした。

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さあ、旅へ出掛けよう、風景画の旅へ。旅はこわばった感覚をとぎ
ほぐし、私たちの心を異世界へと誘ってくれます。絵画を通して、
まずはフランス憧れの南仏へ、。ルノワールの描くムーラン ・ ド ・
ラ ・ ギャレットは、絵の舞台。モネが住んだジヴェルニーの村だ。
ゴーギャンのタヒチ、ルソーの熱帯にのみ込まれるのもよし、絵を
楽しみながら、絵の中を旅することもありかなと思います。

第5章   南へ -新たな光と風景
フランス中部から南部にかけての風景を集めたコーナーです。
南仏に降り注ぐまばゆい陽光と、中部の渓谷に広がる多様な地形
は、画家たちを魅了したようです。その土地固有の景色に刺激を
受けながら、個性あふれる作品が並んでいました。セザンヌは
故郷の山を題材に・・・・。

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アルマン ・ ギヨマン 「廃墟のある風景」  1897年  (左)
ギヨマンは、クルーズ川流域の小村クロザンで、丘陵と城の廃墟の
織り成す風景を描くようになりました。高低差のある地形と谷の間を
流れる川の水面は、さまざまな光と陰をつくり出します。ギヨマンは、
この谷間からの景色を好み、繰り返し描いたようです。豊かな色彩
が装飾的な画面を生み出していて、この絵、いいなぁと思いました。

アンドレ ・ ドラン 「港に並ぶヨット」 1905年  (右)
こちらは水辺に並ぶ沢山のヨットを描いたもので、水面などは横に
粗く引いた線で表現されています。色は原色が多く使われ強烈な
印象でしたす。解説によると、これは1905年のサロン・ドートンヌ
に出品したもので、この展示の評論か ら「フォーヴィスム(野獣派)」
と呼ばれるようになったので記念すべき作品のひとつようです。
筆致は荒々しいですが、ヨットがリズミカルに並ぶ様子が軽やか
に感じられました。白い帆や水面が、まばゆい日差しをいっそう
感じさせます。新しい表現方法なんですね。

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ポール ・ セザンヌ     1905-06年
「サント=ヴィクトワール山、レ ・ ローヴからの眺め」 
セザンヌは、故郷の南仏エクサンプロヴァンスから見えるサント=
ヴィクトワール山を描いた絵を、生涯で30点以上も残してます。
細かい色面を重ねたような粗目のタッチで描かれ、木々はもはや
何だか分からない位に大胆です。(笑) 後のキュビスムの画家達
はセザンヌを高く評価しましたが、むしろこの作品そのものがキュ
ビスム的な要素が多々含まれていました。初期と最晩年に近い
年に描いたサント=ヴィクトワール山の作品が展示されていて、
丁寧に着彩した様子が伺える初期作品と、まるでモザイク画の
ような色面が重なる後期の作品を比較しながら見られて、非常
に嬉しい趣向でした。

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旅の最後は、現実から空想の世界へ。「馬を襲うジャガー」 は、
生涯一度もフランスを出なかったルソーの作品です。異国の動植
物への関心が高まった当時、はく製や草花を見て描いたという。
時空を越えた風景画の数々。人の心に刺さるのはどれだろうか。

第6章   海を渡って ・ 想像の世界
最後はフランス国外や異国に憧れて描いた作品のコーナーでした。
万国博覧会が開かれ、新聞や出版が発達し、国外の情報に手が届く
ようなり、異国への憧れが膨らんでいったのでしょう。画家たちの豊か
な想像力によって風景画はさらなる可能性を広げます。

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   ポール ・ ゴーギャン 「マタモエ、孔雀のいる風景」 1892年
ゴーギャンは、異国的なモチーフを散りばめ、鮮やかな色彩と共
にタヒチの姿を色彩豊かに描き出しました。タヒチの野山と、そこ
にテントのような家を建てて暮らす人々を描いた作品で、手前に
は孔雀の姿もあります。焚き火をして半裸で斧を振る人の様子が
描かれるなど、野性的な雰囲気となっています。 深い緑や赤や
黄色の大地など、お互いに引き立て合う色が響き合うように使わ
れていて目に鮮やかです。 「マタモエ」 というタイトルにもなって
いるのはい現地の言葉で 「死」 を意味するようで、文明人として
の自己が死に、野生の人へと生まれ変わったという心境を描い
ているのではないかとのことでした。

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アンリ ・ ルソー 「馬を襲うジャガー」  1910年
今回のポスターになった作品で、ジャングルの中で白い馬がジャ
ガーに襲われて喉笛を噛まれている様子が描かれています。しか
し、襲われている割にはのほほんとした顔で、ジャガーも抱きつい
ているような感じがします。周りの木々は何の木か分からないうね
うねした葉っぱとなっているなど、ルソーならではの不思議な世界
が広がっています。解説によると、これらの木々は実際に見た光
景ではなく、パリの植物園や動物園に足しげなく通い、珍しい草
花や剥製を見て描いたという。のっぺりとしたジャガーにきょとん
とした馬、現実感が薄い奇妙な植物、自らの心象風景を濃密に
重ねて描いたんでしょうね。ルソーらしいといえばルソーらしい。

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会場を出ると記念撮影のコーナーもありました。最近、こういう感じ
で設置するコーナーが流行っていますね。(笑) 皆さん記念撮影
をして楽しんでいました。グッツコーナーもありましたが、フ~ンと
何時ものように素通りです。

マネではなく、モネの 「草上の昼食」 がメインビジュアルとなって
いるので、印象派展のように思えてしまいますが、いやいや中々
どうして見応えのある美術展でした。扱っている作品の幅が風景
画と言えども広くて驚きました。「旅」 とは往々にして予定外の出
来事が起こるもの。思わぬ作品が目の前に現れ 「あっ!」 と声
を出してしまう作品もあり、プーシキン美術館すごいぞ・・・・と。

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プーシキン美術館展での奥行きある額縁、立体感が一気に出て
壁に掛けた絵を見てるのでなく窓から広大な風景を眺めてる感じ
ですごく良かったです。夕暮れの街の灯りのあたたかさ、緑の中
きらきらした木漏れ日とか、うっとりした贅沢にモネもルソーもゴー
ギャンも観られました。 やっぱり絵画は心を癒し、気持ちを揺さ
ぶらせます。 特に東京都美術館は展示品のすべてが解説付き
なので、素通りすることなく、じっくりと鑑賞出来て嬉しいです。
美術鑑賞は秋ばかりではありませんでした。





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