一ヶ月に2回満月を迎える月を「ブルームーン」という。 そのブルームーンを見ると願い事が叶う・・・・。






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「子育てより大事な仕事はない」

...2017/09/17 09:43...

先日まで主役だった蝉の声に代わり、
草の茂みからはバッタやコオロギの大合唱。
高く澄み渡った空にはうろこ雲が流れ、吹き抜ける
風も幾分涼しくなりました。夏の間に枯れたり疲れ
てしまった気持ちを捨てて心機一転、秋らしい姿に
衣替えして過ごしたいですね。

さて、
昨日、ウォーキングしていた公園で、 ワンちゃん
と一緒に颯爽と歩く年配のご婦人に出会いました。
その姿がとてもハツラツとしてステキだったもので、
ご婦人がベンチで休憩されているときに、思わず
声をかけたんです。

聞けば御年78歳、毎日1 時間以上はワンちゃん
と一緒に散歩するのが習慣なのだとか。
他にも健康の秘訣ってありますか? と尋ねると、
「よく食べて、よく動いて、よく笑う。年齢を重ねるほどに、
そういう基本的なことが大事になるのよね」 と、大きな
笑顔でおっしゃっていて、 本当にその通りだなぁと!
まだまだ高齢者と呼ぶには早そうなご婦人の様子に、
若々しいパワーと生きる知恵をおすそわけして
もらったような気がしました。

明日、18日は 「敬老の日」 です。
元々は、兵庫県のある村で高齢の方を大切にし、
その知恵を借りて村作りをしようという趣旨から
「敬老会」 が開催されたことが由来となっている
そうです。 調べてみると、日本以外の国々でも、
敬老の日と同じように 祖父母をはじめ高齢者を
敬う日を制定している国が多くありました。
国や文化は違っても、ご高齢の方を大切に
しようという想いは万国共通なんですね。

敬老の日と解っていてもなかなか・・・・・・。
そんな時は、電話を1 本入れてみてはいかがでしょう?
「元気?」 「変わりない?」 という何気ない一言でも
お孫さんの元気な声は、おじいちゃん、おばあちゃん
にとって嬉しいものではないでしょうか。

敬老の日は、小さな村からはじまり、それが全国に広がり
今の形になっています。敬老の日とは言っても、日本人が
昔から大切にしてきた目上の人を敬う気持ちと相通ずる
ものがある様に思います。
日頃から相手を 「敬う心」 が大切かもしれません。

  たはむれに  母を背負いて そのあまり
       軽き (かろき) に泣きて 三歩あゆまず
                            石川啄木


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「子育てより大事な仕事はない」

以前、退社された元同僚 (女性) と偶然出会い、
その後のこと等を話す機会があった。彼女は、仕事を
テキパキこなす (キャリア) 女性だった。結婚してしばらく
共働きをしていたが、二児の母親となった今、当時の自分
を 「何も分かっていなかった」 と振り返る。

「何でも一人でできると思っていた。ところが子どもを
産んで初めてベビーカーで外出した時のこと。たった
三段の階段が上がれない。周囲に助けてもらわな
ければ、立ち往生してしまう自分に気付いた」 という。

人はみんな誰かのお世話になって、周囲に助けられて
生きている。子育てはそんな当たり前のことを改めて気付
かせてくれた。すると周りの風景も変わって見えてくる。
見回せば車いすの人など様々な人がいる。かっての
自分はそんなことに見向きもしなかったという。

「急いでいるから」 という自分の都合でどれだけの
人をけちらしてきたのか。そんな反省をするように
なったのも、子どもを授かったからこそだと話された。
6歳の息子と1歳半の娘。初めての出産後も働き、
休憩時間になるたび、家にいる息子を気にしてしまう
自分を自覚。以来、仕事はすっぱり辞めた。

子育てとフルタイムの仕事を両立する女性はたくさん
いるのに、なぜ自分はできないのかと悩んだ時期が
あったようだ。そんなとき、息子の幼稚園の園長先生に
「子育てより大事な仕事があったら教えてほしい」 と言われ、
迷いが消えたという。今は子育てを優先するのが
私のスタイルなのだと思えるようになったのだと話す。

その息子さんも四月から小学生に。
たくましく育ってほしいと夏休みに野外合宿を勝手に
決めてしまったらしい。息子さんは素直に参加していたが、
ある日 「この合宿って僕らしい?」 と尋ねられ、ハッとしたという。
よかれと思ってしたつもりでも、彼の個性を尊重できていない
ことがあるかもしれない。息子さんの言葉がそれに気付か
されたようだ。過剰な期待が子どもにも負担にしかならない。
だからこそ 「丈夫でさえいてくれれば 」 というシンプルな
気持ちは忘れずにいたいと思っていると話された。

子を授かり、子育てする事によって親はそれぞれ
悩みながら子どもと共に人間としても成長するのだろう。
大事にしたいのは、彼女の言う妊娠が分かった瞬間に
感じた 「丈夫に育ってくれればいい」 という素朴な
思いなのかもしれない。

「子育てより大事な仕事はない」
     この気持ち大事にしたいですね。

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「ボストン美術館の至宝展 2017」 
~東西の名品、珠玉のコレクション~ 東京都美術館

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ボストン美術館の至宝展では、今しか見られない至宝たちが勢ぞ
ろい。これを逃したらしばらく見られないかも!? 普段あまり現代
アートや中国美術には興味がないのですが、注目の印象派の絵
画が来日ということで、会期後半は混雑が予想されるので早めに
・・・・と思って観賞して来ました。まさに秋の芸術にふさわしい展
示でしたので、ちょぴっと紹介です。

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混んでいる時だと、このスペースに列ができて並ぶのですが、(下左)
まったく並ばずチケットカウンターへ入れました。東京都美術館の
話題の展示会は、いつも人出が多いので有名ですが、今回はあ
まりにもスムーズなので、ちょっと調子抜けしました。(笑) 

「東京都美術館」
「都民のための美術の振興を図る」 いう目的で都が設置する公立
美術館です。美術館や動物園などの文化施設が集積する通称 「上
野の山」 の一角に位置し、東京を代表する文化施設群の一翼をなす。
大正15年 (1926) に日本で最初の公立美術館として開館しました。

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ボストン美術館の展覧会はこれまでも繰り返し開催されてきましたが、
幅広い内容を総合的に紹介するのは、日本では約40年ぶりとなるよ
うです。この素晴らしいコレクションの形成に寄与したコレクターやス
ポンサーの活動にも光を当て、古代エジプト美術、中国美術、日本
美術、フランス絵画、アメリカ絵画、版画 ・ 写真、現代美術と、東西
の名品の数々を堪能できる展示会です。開幕が待ち遠しかった~。

「ボストン美術館の至宝展」  ~東西の名品、珠玉のコレクション~
期間  :  2017年7月20日(木) ― 10月9日 (月・祝)
場所  :  東京都美術館 企画展示室

第1章  「古代エジプト美術」
開館当初から、ボストン美術館で重要な位置を占めていた古代エジ
プト美術。三大ピラミッドが建つギザで発掘された王の頭部や、墓か
らのレリーフ、ヌビアの王の立像、ジュエリーなど、古王国時代の出
土品を中心に展示されていました。当然ながら、作品はみんな紀元
前。なのになんで、こんなにも完全なる人の頭が再現できるのか ?

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「ツタンカーメン王頭部」  (紀元前1336-1327年) (左) 初来日
この王の頭部に名前はありませんが、第18王朝の若き王ツタンカー
メンと考えられています。アーモンド型の眼、官能的な唇、その魅力
的な顔立ちは 「王家の谷」 で発見された黄金のマスクに似ていると
されています。凛とした顔だち、額に長方形の布を当て、耳を出す
形で頭を覆うネメス頭巾を被った姿が印象的な、エジプトの豊かな
文化・文明に感動。そんな歴史にも想い馳せる、素敵な空間でした。

「メンカウラー王頭部」  (紀元前2490-2472年)  (右)
このメンカウラー王の頭部は、ギザの第3 ピラミッド内部から見つかっ
たもので、紀元前25世紀頃の作品です。額の蛇や特徴的なあごひ
げが、王族であることの印を刻んでいます。約4500年前に、こんな
に写実的な彫刻が作れていた、ということに驚きです。エジプト文明
はハンパないなぁと思いながら見ていました。美しい頭部像です!

第2章  「中国美術」
古代エジプト美術に続き、中国美術作品。陳容が13世紀前期に描
いた 「九龍図巻」。雨を統べる存在でもあり、皇帝の象徴でもある龍。
陳容は、有名な九馬図や九鹿図に影響を受け、9匹の龍がこの世な
らざる世界を駆け巡るという渾身の大作等多数展示されていました。

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    周季常  「五百羅漢図」  (南宋 ・ 1178年頃)
元は京都の大徳寺で大切に保管されていた、南宋時代に製作され
た全100幅の 「五百羅漢図」 シリーズの一部です。 明治の廃仏毀
釈運動で荒廃した寺院を立て直すため、岡倉天心らの仲介により、
ボストン美術館とフリーア美術館へ合計12 幅が売却されたようです。
卓抜した画技と豊かな彩色を誇る中国・南宋時代の仏教絵画を代表
する名品です。 それにしても、この絵、12世紀の作品とは思えない
状態の良さです! 幸いなことに、まだ日本には82幅現存しており、
その全ては重要文化財指定を受けています。いつか残りを全部見
てみたいなぁ。今回は南宋絵画の名品が2点里帰りしました。

【メモ】 五百羅漢
羅漢は釈迦の弟子として、すでにこの世にいない釈迦の残した法を
求め、それを悟ったものとして人々に信仰されてきました。各地で様
々な五百羅漢の画像や木彫、石像が盛んに制作されたようです。五
百羅漢を訪ねれば、いまは亡き大切な人に対面できるという信仰が
広まったようです。

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徽宗  「五色鸚鵡図巻」  (1110年代頃)  (上)
中国の王朝・北栄の第8代皇帝の徽宗 (きそう) によって、杏の花が
咲きほこる庭園を鶏が飛ぶ姿を記録するために皇帝が描かれた作
品です。中国南部の地である嶺表から、“ ズグロゴシキインコ “ とい
う珍しい鶏が宮廷へと献上された出来事を記念して描いた絵と言わ
れています。繊細な筆使いで自然描写がなされ、鸚鵡の毛はふん
わりして、のど元の赤と杏子の白い花のコントラストが、ガラス越し
とはいえ、近くで見ても美しかったです。

陳容  「五龍図巻」 (部分)  1244年   (下)
約10メートルに及ぶ長大な絵巻で、沸き立つに描かれるのは9匹の
龍が、沸き立つ雲と荒れ狂う波の中を飛翔する姿が筆墨によって描
かれている存在感抜群の作品でした。実物の他に、見やすいように
拡大展示もされていました。じっくりと細部まで鑑賞し、墨に墨を重
ねる 「破墨」 や墨をはね散らす「溌墨」 と呼ばれる巧みな技法が
使われている箇所もあって見応えありました。

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ボストン美術館の凄いところは、開館以来約150年にわたり、一貫
して市民たちの力によってコレクションが築かれてきたところです。
個人コレクションの一括贈与、寄付金を原資とした作品購入を繰り
返すことで、世界屈指の美術館へと成長してきました。開館当時は
5千点だった作品は現在では50万の作品を所蔵しています。主要
なコレクションからえりすぐった、珠玉の80点が来日したのです。

第3章  「日本美術」
ボストン美術館に収蔵された日本絵画の作品群は、日本国外に所在
するものとしては最大のコレクション。その作品の大半は、19世紀後
期に日本を旅したボストンのコレクターたちによってもたらされたもの
でした。彼らはボストン美術館で顧問をしていた岡倉天心らとともに、
日本文化に対する正当な評価を生み出すことに貢献したのです。
初めて里帰りを果たす作品も含め、江戸美術の優品を紹介展示。

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喜多川歌麿  「三味線を弾く美人図」  1804~06年頃  (上)
北斎、広重、写楽と並び世界的に知られる浮世絵師 ・ 喜多川歌麿
が晩年に手がけた男女の視線と恋心の交錯を、絵画と狂歌で表し
た優品。髪飾りを身に着け三味線と撥を手に、音を調整する女性。
画面左側の文字は、優美な視線の先に五人の狂歌師が女性へ
の思いを寄せた狂歌で、どれも片思いを嘆くものばかり。今で言う
「ラブレター」 のようなもの。ちょっと切ないなぁ。

曾我蕭白  「風仙図屏風」  1764年頃  (下)
勢いよく渦を巻き、強風を呼び起こす黒雲。荒れ狂う波濤、揺れ動く
木々のなか、剣を持つ男が橋を挟んで黒雲に対峙しています。緊張
感ある攻防の後方には、風に吹き飛ばされた滑稽な表情の男たち。
その後ろには白と黒の兎のつがいがひっそりと姿を見せている。墨
の濃淡、線と面、緊張と弛緩、大胆さとユーモアを巧みに織り交ぜた、
蕭白の代表的作品です。表情に注目してみると、何だが楽しそうです。
大変な時ほどなぜか笑ってしまう事がありますが、彼らもそんな心境
だったのでしょうか? 想像が膨らみます!

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英一蝶  「涅槃図」  1713年  (左)
ひと際目を引く 「涅槃図」 は、絵の部分だけで高さが約2.8メートルに
及ぶ大迫力の大作。。約170年ぶりに大規模修復を行い、満を持して
日本へ初の里帰りです。お釈迦さまが涅槃に入られた (亡くなられた)
のを、十大弟子、菩薩、羅漢や様々な動物が嘆く様子が描かれていて、
悲しみにくれる以上に、猫の睨みに震え上がるネズミの表情が面白かっ
たです。この絵を拝した人々は、まるで絵の中に入り、涅槃の瞬間に立
ち会うかのごとく祈りを捧げたのでしょう。鮮やかな色彩も美しいです。
海を渡ってから、その作品を実際に見た人はごくわずか。江戸時代の
人々が祈り、想いを馳せた、一蝶による幻の巨大涅槃図は凄かった。

酒井抱一  「花魁図」  18世紀  (右)
前々から興味のあった酒井抱一の 「花魁図」。やっぱり花魁姿には
目を惹かれますね。着物を美く重ね、鮮やかな赤と柔らかな曲線。
ボストンの人が海を越え持ち帰ったこの作品。その良さを共感して、
ボストンの収集家の 「ドキドキ」 感まで味わえた気がします。左下
の文字は、この画を所蔵していた河鍋暁斎が、明治16年4月7日
の日付けで 「歌川豊寛の筆也 歌川家之元祖なり」 との改文を
書き込んでいます。

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ボストン美術館は、日本と非常にゆかりの深い美術館です。特に、
明治時代から岡倉天心、フェノロサ、モースらによって収集が続け
られた日本 ・ 中国の東洋美術コレクションは10万点以上となりま
した。明治初期の廃仏毀釈運動により危機的になった仏教美術
作品や、寺院に所蔵されていた日本美術作品は、ボストン美術
館のおかげでかなりの数が保全されたという経緯があります。

第4章  「フランス絵画」
ボストン美術館の中でも特に強い魅力を放つのが、フランス絵画
コレクションです。19世紀後半、文化的刺激を求めてヨーロッパへ
と旅立ったボストニアンたちは、さまざまな時代に生まれた美術品
を愛で、その収集に励みました。モネ、ルノワール、セザンヌ、ピサ
ロ・・・絵画史に名を刻む巨匠たちの作品により構成された展覧会
のハイライトです。ゴッホ 「郵便配達人 ジョセフ・ルーラン」 と 「子
守唄、ゆりかごを揺らす オギュスティーヌ・ルーラン夫人」 が夫婦
揃って、来日が目玉のようです。

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クロード ・ モネ  「睡蓮」  1905年  (左)
モネは、自分の家の庭に川から水を引き大きな池をつくり、そこにたく
さんのすいれんを植えて、20年も描きつづけました。その庭の池に浮
かぶ睡蓮を見つめながら描いたモネの傑作の1枚の絵です。下から上
へと遠ざかるように奥行きを感じさせる睡蓮や、水面に映る空と岸辺の
木々が、絵画の外に広がる無限の空間を想像させてくれます。睡蓮を
ちゃんとした花びらまで形どっているのは手前の一個だけ。あとはアウ
トラインを点々で描いているのに、遠くからみるとたくさんの睡蓮がむし
ろ遠近感をしっかり持ってリアルに表現されてて不思議でした。睡蓮が
咲く様子を見るだけでキモチが静かになる感じでした。

クロード・モネ 「くぼ地のけし畑、ジヴェルニー近郊」 1885年  (右)
「光の画家」 と呼ばれたモネが、時間や季節とともに移りゆく光と色彩
の変化を鮮やかに描いた作品です。明確な輪郭線はなく、筆跡の大き
さや形、方向性によってくぼ地のけし畑が見事に表されています。モネ
の絵は巧みな色使いで、太陽光を浴びたキラキラ感が表現されていて、
フワッと草花の香りまでしてきそうで郷愁を誘う1 枚です。

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ジャン=フランソワ ・ ミレー  「編み物の稽古」  1854年頃  (左)
ミレーが絵の画題を求めて滞在したフランスのバルビゾン村の庶民の
生活情景を描いた傑作。女性は自らの仕事を膝に置き、娘に編み物の
手ほどきをしています。窓からは柔らかな光が広がり、簡素な生活が丁
寧に、優美に描かれています。日常のありふれた風景や、そこに暮らす
農民たちを穏やかに描かれ、暗めの色使いの中にも、温かみが感じら
れます。 母から娘に伝える編み物。親子のぬくぬくした、ほっこりした
「温度」 が伝わってきました。

エドガー ・ ドガ  「腕を組んだバレエの踊り子」  1872年頃  (右)
ドガは踊り子をモデルとした作品を多数残している 「踊り子の画家」 とし
て有名です。表情は読み取れませんが、舞台裏で出番を待っているの
でしょう。鑑賞者は、ドガの視線を辿り舞台裏の様子をのぞき見ることに
なります。ドガは、一瞬一瞬の動きをとらえ、何十枚、何百枚ものデッサ
ンをしてから、それらを組み合わせて作品を仕上げたと言われています。
この作品はドガが亡くなったとき、彼のアトリエに未完成のまま残されて
いたものなのだそうです。

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ゴッホは浮世絵を収集し、日本を舞台とした小説を読み、南フランスの
気候や景色に日本を重ね、憧れを強めていきました。本展のメインの
一つ、ゴッホが描いた郵便のおじさんと奥様の肖像画で、夫妻の肖像
画が揃って来日するのは、今回が初めて !  こうして2枚同時に観ら
れる機会に恵まれ、テンションがマックスの私でした。キャー

フィンセント・ファン・ゴッホ 「郵便配達人 ジョゼフ・ルーラン」 1888年 (左)
パリを離れ見知らぬ土地に暮らし始めたゴッホにとって、ジョゼフ・ルーラ
ンはモデルとなってくれる数少ない友人だったという。ソクラテスに喩えた
立派な顎鬚をもつ頭部だけでなく、魅力的な手の動きも力強く丹念に表
現されており、青を基調とした画面に、制服の装飾やボタンの黄色が効
果的に配されています。離れて見るとちゃんとした顔なのに、近づくとベ
ターっと塗っている箇所が多く、驚き不思議でした。ゴーギャンとの共同
生活が破綻した際、ゴッホは自らの耳を切った。ジョゼフは入院した彼を
定期的に見舞い、彼に付き添ったという。じっとみていたら隣りに住んで
いるおじさんが、 「どうも!」 と話しかけてきそうな気がしてきました。(笑)

フィンセント・ファン・ゴッホ  「子守唄、ゆりかごを揺らす
オーギュスティーヌ・ルーラン夫人」
1889年 (右)
花が描かれた壁紙を背に椅子に座る女性が、手に揺りかごを揺らす紐
を持っており、赤ん坊の娘をあやしているようです。あたたかな母性を感
じさせる作品です。 夫人の絵は、有名な 「ゴーギャンとの共同生活」 の
後に描かれた作品と見られ、デフォルメされた姿や黄土色の顔つきは、
あからさまにゴーギャンの影響を受けているような感じもして面白いです。
一年でこんなにも表現の変わった作品が描ける、ゴッホの器用さに驚き
ます。 絵の変わりように対して、ゴッホには 「まあ、いろいろあった一年
だったからね~」 と言ってあげたくなります。どちらも圧倒的存在感の
ある作品・・・。言葉はいらない気がします。

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カミーユ ・ ピサロ 「ポントワーズ、道を照らす陽光」 1874年 (左)
ピサロが住んだパリ郊外にあるポントワーズの風景です。都会を離れ、
田園地帯に実際に身を置いて、身の回りにあるごく普通の情景が率直
に描かれています。比較的幅の広い筆遣い特徴的な表現は、ピサロの
初期作品にみられる特有の技法です。ピサロは、風景をたくさんかいて
いて、「色の魔術師」 とよばれています。ピサロの性格は温厚で、画家
仲間の信望が厚かったといわれています。そんな感じもする作品です。

アルフレッド ・ シスレー  
「サン=マメスのラ ・ クロワ=ブランシュ」
 1884年  (右)
川の浅瀬に枯れ木の影が川の中に入っていく感じもして、シスレーの
水辺の絵を見つめると、まるでそのせせらぎまで聞えてきそうだ。でも静
かで寒そうな絵です。シスレーはサン=マメスに滞在し、その間に300
点ほどの絵画を制作した、という生涯印象派の風景画を作り続けたザ ・
印象派。シスレーは、他人に失礼なことをするような人でなく、おとなし
い性格でした。風景画をかきつづけましたが、人がらと同じで、おだや
かで落ち着いた、そしてすみきった絵が特徴です。でも、作品がほとん
ど売れず、まずしさの中でひっそりと息を引き取りました。いつの時代
でも、芸術だけで生きていくって凄い覚悟だなぁと思うのでした。

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ピエール=オーギュスト・ルノワール 「陶製ポットに生けられた花」 
1869年  (左)
ルノワールは花を描いた静物画について、それは裸婦の肌の表現のため
の実験であり、花の実験をとおして得られた成果をほかの作品に応用する、
と語っています。花の種類によって筆使いが違うのも素晴らしいですが、こ
うしたものを描くことによって明暗や色彩の配置を実験していたとか。質感
や光の表現が素晴らしいです。ルノアールの描く絵は、明るく、そしてやさ
しい。絵をかくことが好きで好きでたまらなかったルノアールは、70才を過
ぎて腕と足が自由に動かなくなってからも、車いすにのり、指に絵筆を結び
つけ、息を引き取るまで、絵をかきつづけたといわれています。やっぱり
こんな絵を観られるのが嬉しいですね。

ポール ・ セザンヌ  「卓上の果物と水差し」  1890-94年頃 (右)
青系の色調の背景と机に、暖色で丁寧に描かれた果物。丸みが強調され、
存在感を増して見えます。制作に時間をかけるというセザンヌには、花より
も持ちの良い果物が適していました。画家の静物画の特色を表す優品です。
「静物画」 は、「風景画」 「人物画」 と異なり、果実や切り花、食用の動植物
など、自らが動くことのない命なき自然を選び、それを構成して美をつくり、
絵画空間を形成しています。セザンヌの作品から多くの画家が学び、新し
い描き方を工夫していったことから、セザンヌは、「近代絵画の父」 といわ
れています。

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展示されている美術品は、大きく分けて7ジャンルに分かれてい
ます。行く前は 「それじゃテーマが散漫になっちゃって、焦点が
ボケるんじゃないのかな」 と思っていたのですが、実際に展示さ
れている作品のレベルの高さを見て、そんな杞憂は吹き飛びま
した。どのジャンルも非常にハイレベルで、むしろ 「あー、こんな
作品もあるのか!」 と唸らされる見事なラインナップでした。

第5章  「アメリカ絵画」
アメリカのアートといえば、抽象表現主義といった 「現代アート」 に
名作が多いイメージですが、今回は、アメリカ絵画の草創期の作品
群を堪能することができます。現代アート以前のアメリカ絵画作品を
見れる機会は意外に少ないので貴重な機会でした。

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ジョン ・ シンガー ・ サージェント 「フィスク ・ ウォレン夫人
(グレッチェン ・ オズグッド) と娘レイチェル」
 1903年  (左)
肖像画家として絶大な名声を有していたサージェントの作品。作家 ・
詩人でもあったウォレン夫人は、光沢のあるドレスに身を包んでいます。
背後に見える母子像に呼応するように寄り添う母と娘の姿が、ピンク、
赤、金色の鮮やかなシンフォニーとともに描かれています。ドレスの質
感の艶やかさもさることながら、この母娘の美しいこと。ブロンズの髪や
うっすら赤らんだ頬の巧みな描写と優しい色合いに、思わずうっとりし
てしまいます。肖像画家サージェントの名声を高める作品となった1枚
です。縦1.52メートル、横1.03メートルほどある大きな肖像画です。

ジョン・シンガー・サージェント 「ロベール・ド・セヴリュー」 1879年 (右)
スカートスーツを着ていることから幼さが窺える7歳の少年。逃げ出そう
とするように身をよじらせる犬を、身体を少し左に傾けて抱いています。
生き生きとした少年の様子が伝わる、愛らしい肖像画です。。野心的な
アメリカ人画家・サージェントは主にイギリスを拠点として活躍しましたが、
イタリアに生まれフランスで美術教育を受けた生い立ちから、欧州各国
の影響を受けた独特な画風が特徴的です。伝統的な古典技法を用い
て多数の肖像画を手掛けた 「最後の肖像画家」 とも呼ばれています。

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フィッツ ・ ヘンリー ・ レーン 「ニューヨーク港」  1855年頃  (左)
港の風景を描くスペシャリストだったというヘンリー・レーンの写実絵画。
19世紀半ば、アメリカで最も賑わっていたニューヨークの港を描いた
作品。帆船のむこうには蒸気船があり、時代の移り変わりも描かれてい
ます。この頃のニューヨークは貿易が盛んで、活気に溢れている様子が
伝わってきます。帆船から蒸気船へ移り変わる、時代の変化を見るのも
楽しいですね。アメリカの牧歌的な様子が伝わる、技巧的な作品でした。

ワシントン ・ オールストン  「月光」  1819年  (右)
絵画修業でイタリアやフランスの色々な風景画を描いたというオールス
トンの作品。幻想的で魅力的な絵です。月は中空に上がり、その白い光
は眼鏡橋の橋脚の間を通って広がっています。馬に乗る人、若い家族ら
しき人々。小さなドラマが月光の中にあるような幻想的な感じがしました。
でもこれ、実は想像の風景なんだそうです。映画の中のワンシーンの
ようなロマン派風でしょうか。

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展覧会の音声ガイドには、竹内結子さんが起用されていました。
聞いてみて非常にびっくりしたのが、その落ち着いた語り口・・・。 
アナウンサー顔負けのしっかりした読み上げは、奇をてらっておら
ずオーソドックスですが、内容が染み渡るように頭に入っていきます。
ガイドコンテンツも、解説パネルやキャプションを上手に補完するも
のでした。ただ音声ガイドがなくても東京都美術館では、全ての展
示品に解説パネルが設置されています。

第6章  「版画 ・ 写真」
19世紀半ばから20世紀にかけてのアメリカを描写した収集作品
の中から、アメリカを代表する芸術家の作品が展示されています。
モノクロの世界に映しだされた、当時の人々の暮らしや自然の美
しさにはどこか懐かしさすら感じます。この時代のアメリカの様子
を見ると、いつも、「どうして日本は、こんなに物資豊富で、進ん
でいる国に戦争を挑んだろうね。」 と愚かさを感じてしまいます。

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エドワード ・ ホッパー 「機関車」  1923年  (左)
ホッパーの意外なエッチングの作品に目を奪われました。全部で4点
あるうち、1つがこの 「機関車」 です。黒々とした機関車がトンネルの前
で止まっています。機関車の存在感が際立ち、その先に広がるトンネル
の闇と周囲の明暗のコントラストによって、迫力が感じられますね。力強
い車輪をはじめ、金属の強い量感など、情景描写も巧みです。現代の
電車にはない重厚さからか、機関車は今でも人気がありますよね。

ウィンスロー ・ ホーマー 「八点鐘」  1887年  (右)
激しく波立つ海の船上で、男たちが計測器を手に船の位置を確認して
います。19世紀のアメリカ風景画を牽引した画家ホーマーは、エッチン
グ (版画) による繊細な描写で、荒々しい海に立ち向かう人間の姿を
とらえています。左の1人は六分儀を用いて太陽を読み、もう1人は自
分の六分儀で終わった観測の高度を読んでいるように描き、いくらか
美術的な逸脱をしているようです。

第7章  「現代美術」
19世紀~20世紀以前の作品が多く収蔵されていることで知られるボス
トン美術館ですが、現代アートをけん引するアーティストの作品も多数
展示されていました。成長著しい現代美術コレクションから現代アート
らしいポップで鮮やかな作品たちが、見る人を元気にしてくれます。
面白かったのは、お皿に盛られた新鮮な果物が朽ち果てるまでの映像
を、早送り再生するビデオ作品。サム ・ テイラー ・ ジョンソン 「静物」。
果物が徐々に新鮮さを失い、腐敗していくのに対し、お皿とその傍に
置かれた青いボールペンが不変であるのが印象的でした。

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村上隆  「If the Double Helix Wakes Up・・・」  2002年  (左)
©2002 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.

最初に目に飛び込んできたのがなんと日本の現代アートの旗手、
村上隆の 「If the Double Helix Wakes Up・・・」。 お馴染みの 「ドッ
ブ君」 が空中だか水中だかを浮遊している。変なおじさんって感
じの人ですが、アニメ的な絵で有名な人です。六本木ヒルズの花
のキャラクターとかをデザインした方です。モチーフの繰り返しだっ
たり、視覚を歪ませるようなトリッキーな模様だったり、デザインの
実験みたいな不思議な絵でした。

アンディ ・ ウォーホル  「ジャッキー」   1964年頃   (右)
© 2017 The Andy Warhol Foundation for the Visual Arts, Inc.
/ ARS, N.Y. & JASPAR, Tokyo E2509

1963年に起きたケネディ大統領の暗殺事件後には、広く配信された
大統領夫人ジャクリーンの写真をもとに複数の肖像画を制作し、それ
らを組み合わせ作品にしている。そこには事件前の笑顔のジャクリー
ンや葬儀の際に深い悲しみに暮れる彼女の姿が繰り返し登場しました。

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美術展を観終ると、今回の展覧会の大注目作品であるゴッホの
「ルーラン夫妻」 の大きなパネルが置いてあるスペースがありま
した。どうやら、この中へ入って写真を一緒に撮れるようです。
皆さんは中に入ってピースしながら写真を撮っていました。

お気に入りの一枚を探すもよし、新たな好みのジャンルと出会うも
よし、色々な楽しみ方ができ、ボストン美術館のコレクションの凄さ
が良く分かる、素晴らしい展覧会でした! ここまで幅広い内容の
展覧会って他にあまり見かけません。ボストン美術館のハイライト
的な展示で、最初から最後まで楽しむことができました。エジプト
美術や中国美術など、こういった機会でなければ見ることのない
作品まで見られて最高でした。

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今回の 「ボストン美術館展」 は、ゴッホの作品が全面的に宣伝
されているのでフランス絵画が集結しているように思ってしまいが
ちですが、サブタイトルに 「――東西の名品、珠玉のコレクション」
とあるように、日本や中国、アメリカの名作も多く来ていました。
見逃せないコレクション80点の作品を、じっくり観賞できる展覧会
でした。帰りは公園内のスタバで、コーヒーを飲みながら展示を
振り返って楽しみました。満足、満足の美術展でした~。





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