一ヶ月に2回満月を迎える月を「ブルームーン」という。 そのブルームーンを見ると願い事が叶う・・・・。






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「裏無い (占い)」

...2016/02/28 07:40...

2月も本来なら今日で終わりですが、
今年はうるう年なので1日多いわけです。
何だか得した気分になりますが、それでも
やはり2月はあっという間にすぎますね。

まだまだ寒い日々が続いています。
外を歩いていると、ついつい手はポケットの中へ。
まだ 「暖かくなりましたね」 とは言いがたいです。
とはいいながら、二月も終わるころとなると、
あちらこちらのお宅の庭に見える梅の木の
枝には梅が咲き誇っています。寒い寒いとは
言いながら、着実に季節は動いているようです。

梅の花には 「春告花」 という異称があります。
梅は、桜や桃と云った春を代表する花々の多くに
先立って花を咲かせ始めることから、春の到来を
告げる花とされたのでしょう。

春告花は、その花が開くことで春の訪れ、季節の
動きを知らせてくれる天然自然の暦でもあります。
「梅暦」 というわけです。

毎年毎年、忘れることなく季節を知らせてくれてきた
梅暦が、今年も皆さんの自宅の庭で、近所の神社
の境内で、あるいは人里に近い山の端で、春の訪
れを知らせてくれているのではありませんか?

さてさて、東京はどこかしこも梅が見頃です。
春の訪れを知らせる梅暦、その最前線は
今はどの辺を旅しているのでしょうね。
北国の方、もう少しの辛抱ですよ。

東風 (こち) 吹かば 匂いおこせよ 梅の花
     あるじなしとて 春な忘れそ    菅原道真

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「裏無い (占い)」


家に持ち帰った仕事に飽きて、インターネットで遊んで
いたら、無料の 「前世占い」 を発見。試しにやってみたら、
「大酒飲みのおやじ」 と出た。現世も 「大酒飲み」 の
ボクはヘラリと笑い、ゴクリとビールを飲んだ。

ネットの情報だから、もちろん深刻に受け止めることは
ないけれど、たとえば美輪明宏さんなどが 「アナタの
前世は大酒飲みのおやじです。それでいて・・・・」
などとおっしゃったなら、きっと神妙な面持ちで聴き
入ってしまうに違いない。

職場の仲間と出かける新橋の、とある飲食店が並ぶ一角。
ひっそりとかまえた居酒屋に、お客の一人一人と接しながら
親身に占いをしてくれる女将さんがいます。神秘的な雰囲
気で、宣伝は一切せず、口コミだけで支持を集めている。
人呼んで 「占いの女将さん」。数多くの悩める経営者
やサラリーマンやOLたちを救ってきた。
そこで占ってもらった職場の彼女がいます。

すべてを見通されてしまったらどうしよう、とドキドキ
しながら、最初に生年月日を聞かれ占い開始!
する と 「あなた頑固ね」 「ものごとをはっきり顔にも
言葉にも出しすぎます」 と。「それから・・・・全然恋愛
運がないわね!」 とも。思い当たることばかりで、
黙り込んでしまったようだ。恋愛運のなさは自他とも
に認めるもの。彼女の欠点を見抜いたうえで、人との
付き合いで気をつけるべきこと、自分にとって良くない
時期の過ごし方などなど。たくさんのアドバイスを受け、
ずいぶん気持ちが楽になったようだ。

一方、占い好きのもう一人の子は、他で見てもらったら、
彼女の前世は 「花街の女性」 だったという。
貧しい家に育ち、人からさげすまされてばかりの
その女性は、「丑三つ (うしみつ) 詣で。 (人を呪い
殺すために、午前2 時ごろに神社を参拝いすること)」
に出かけるほどこの世を憎んだ。彼女は、いつも自信が
持てず、不安を抱えているのは、「不幸だった前世を
引きずっているから」 らしい。そういう自分とは決別
しないといけない、とおっしゃったらしい。こういう
類の話を信じるか信じないか人それぞれだけれど、
要は 「理由」 なんだろうなァと思う。

「自分が自分であることには、きっと理由がある」
人はだれでも、そう信じたい。彼女も理由づけ
してもらうことで、「だからワタシはこういう人間なんだ」
と、ありのままの自分を受け入れようと思うのかもしれない。
前世話の真偽は、あまり重要ではない気もします。

占いって、とどのつまりは 「傾向と対策」 じゃないかと
思います。占いの結果というものは 「こういう傾向が強いので、
気を付けましょう」 「そうならないような選択をしていきましょう」 という、
ある程度の指針を立てるために存在しているのだと思います。

手のしわ、名前 生年月日で運命が決まるほど、世の中は簡単
なものではありません。運命を予測する占いは、生い立ち、
近況がわかる時に、たぶんこうなるだろうと推測しているだけです。
見えないはずである部分をズバリ指摘すれば、コロリと信じ込む
ものです。あくまで、どうなるかは予測でしかありません。
本人の受け止め方次第だと思います。

占いの関係者の中には占いは 「統計」 によるものと
説明する人もいますが、占いは独自の理論や個人の経験で
構成されている面が強く、必ずしも統計や統計学、科学と
しての研究との関連があるとは言いがたいものです。
占いは、その信憑性が科学的には証明されていないが、
不思議な効果を発揮したと見なされることが確かにあります。

未来は、自分の意識と言動で確実に変えていくことができます。
自分が進む先にあるものが何なのか、わからないまま歩き
続けるのは不安です。そこにちょっとでも 「希望」 が持てる
ものが見えれば、不安も少しは解消されます。
これがいまでも占いが信じられている理由ではないでしょうか。
活用次第ではとても役立つ情報にもなります。
ですが、付き合い方を間違えば、一生それに振り回される
ものにもなりえるのです。

「当たるも八卦、当たらぬも八卦」 と昔から言われているように、
必ずしも当たらなくても通用する面もあることから、占いを
裏 (外れ) が無いという意味で 「裏無い」 との意味を込めて
呼ぶことがあるようです。占いは人を勇気づけるツールだ
ともいう。まさにその通りと思うのです。

占いでわかることは、良いことも悪いことも 「絶対そうなる」
と決まっているわけではありません。誰しもが気楽に占いを
楽しむ事が出来たら、きっと少しだけ人生の扉を開けること
ができるかも知れませんね。

さて、
もしも生まれ変わりがあるなら、私は来世では禁酒をしよう。
前世も現世も大酒飲みのお兄さんは誓うが、
たぶん来世も、きっと大酒飲みに違いない。(笑)


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   フェルメールとレンブラント ・
 17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち展 2016

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世界的に有名で特に近年人気のあるフェルメールとレンブラント
の作品。 しかも日本初上陸の絵画があるということで、職場の美
術好きの仲間と鑑賞してきました。当然、混雑が予想されるので
夜間観賞にしました。場所は珍しく六本木ヒルズです。

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開催される森アーツセンターギャラリーは、六本木ヒルズ森タワー
52階で展望台と同じフロアにあります。森アーツセンターギャラリ
ーへの入場は専用の入口 (ミュージアムコーン) (下左) からです。
チケット売り場のフロア (下右) は人でいっぱいでした。夜間にも
かかわらず時間がかかり、人の多さにちょっと不安になりました。

森アーツセンターギャラリーは、常設展はなく、歴史的に有名な名
画からマンガやアニメ作品、映画、ファッション、デザインまで多彩
で、これまでにもミュシャ展や古代エジプト展等があります。テーマ
が柔軟でとっつきやすい企画展を実施するのが特徴です。他の美
術館と比べ金曜日のみ夜間開催と違って、連日わりと遅くまでやっ
ています。仕事帰りにちょっと寄るなんてことができるのも、六本木
ヒルズにある特権かもしれませんね。

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今回の展覧会では、「光の画家」 として有名なヨハネス ・ フェルメ
ール、そして、独特な発想と技法で人気を博すレンブラント ・ ファ
ン ・ レインなど、17世紀のオランダ黄金時代に活躍した画家たち
の作品が集結。オランダ黄金期の幕開けから終焉までの、建築画
家、静物画家、肖像画家たちの作品、約60点が展示されています。

「フェルメールとレンブラント・17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち展」
開催期間  2016年1月14日(木) ~ 3月31日(木)
会場     森アーツセンターギャラリー (六本木ヒルズ森タワー52階)
開館時間  10時 ~ 20時
観覧料金  当日券1600円 学生1300円 中学生まで600円

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第Ⅰ章は 「ハールレム、ユトレヒト、アムステルダム―オランダ黄金
時代の幕開け」 。17世紀初頭から、オランダの各都市において画
家たちが活発に制作活動を行い、独特の絵画を発展させてきました。
特に、ハールレム、ユトレヒト、アムステルダムでは、イタリアやフラン
スで経験を積んだ画家たちが独自の絵画を開花させていきます。

ヘンドリック ・ ホルツイスト 「苦悩するキリスト」」 1607年  (左)    
最初に展示されていたのがこの作品で、目を引くのは、人類の悲し
みを背負うキリストではなく、その身体はたくましく、まるでギリシア
・ローマ神話に出てくる英雄のようです。古代芸術に着想を得た、
「理想的」 ともいえる裸体像が描かれています。当時は、こうした
古代風の理想的な人物像を自宅に飾っていた人もいたようです。
よく見ると茨の冠をかぶり、額に血が流れ涙を浮かべています。
最初から感慨深いものを感じました。
アブラハム ・ ブルーマールト
         「ラトナとリキュア人の農民」
 1646年 (右)
ブルーマールトが80歳の時に描いたとされる作品で、説明によると、
古代ローマの 『メタモルポセス (変身物語)』 の一場面。古びた農家
を描いた風景画に見えますが、中央の女性は、主神ユピテルの間
に出来た双子を産んだラトナ。女神ユノの嫉妬を買い、そのために
農民に襲われそうになったとき、主神ユピテルが農夫を蛙に変えた
瞬間が描かれています。すでに蛙に変わっている農民と半人間の
ような農民の姿も見えます。 何とも不思議な作品でした。

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Ⅱ オランダ黄金時代
ヨーロッパ絵画では、風景は想像上のものが主体でしたが、実際
の生地や生活の地を描く風景画が発達したのがオランダでした。
裕福な商人や町人の出現が、館を飾るために求める人気商品で
もありました。特に牛のいる風景は人気だったようです。

アーベルト ・ カイブ
「牛と羊飼いの少年のいる風景」 1650~60年頃 (左)
木陰に少年と牛が一休みし、奥に開けた山並みも見え、暖かな日
差しといい、なんとも穏やかな情景です。 牛は富を生む繁栄の象
徴で、聖なる生き物だったので、牛の姿を自分の家に飾りたがり、
農場の母屋を描いた絵画や牛の絵の需要もかなりあったそうです。
カイプは、風景画のスペシャリストでしたが、とにかく生涯ずっと牛
ばかり描いており、まぁ大変な牛マニアだったようです。モー (笑)
サロモン ・ ファン ・ ライスダール  「水飲み場」 1660年 (右)
手前の小川で水を飲む牛たち。後ろは旅人たちが停泊したであろ
う建物の前で馬車を仕立てて旅に出られる様子でしょうか。 色々
と想像が膨らみます。長閑な光景で静かな時間が流れている感じ
です。彼の風景画は、地平線を低めにとって、さまざまな空と雲の
表情を描写し、光と大気の効果を追求したものが多いようです。
一筆一筆がとても丁寧に描かれていました。

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六本木駅の改札口を出たら、いきなりこのポスターが柱に貼り出さ
れていて人気の程は伺えます。・・が、チケット売り場の人の多さは、
必ずしも美術鑑賞者ばかりではありませんでした。森美術館の方へ
行く人、展望台へ、あるいはレストランへと様々です。エレベーター
でホールについて受付へ進んだら、鑑賞者もまばらで通常の夜間
観賞と変わらず、ゆるりと・・・・・しっかり観賞出来ました。ホッ

17世紀はオランダ黄金時代といわれています。この時代、オランダ
は歴史上稀にみる発展の最中にありました。スペイン支配からの独
立戦争に伴い経済が急成長するとともに、世界に先駆けて設立され
た貿易網を通して世界に名だたる強国、富裕国として発展していき
ます。確かに高校の時、世界史で習った気がする。この時代に活躍
した画家たちの中には、フェルメールやレンブラント、ヤン ・ ステーン、
デ ・ ホーホなど、今日私たちがよく耳にする名があります。彼らの作
品は400年近く時を経た今でも色褪せることなく、私たちに感銘を
与えてくれています。

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Ⅱ― 2 イタリア的風景画家たち
当時、イタリアに旅し学んだオランダ出身の画家の多くは、明るい
陽光、朽ちた古代の遺跡、新鮮な青い空。オランダ風景画とは一
風異なる異国情緒あふれるモチーフを組み合わせた風景を取り
混ぜて描いていました。

ヤン ・ パブティスト ・ ウェニークス  「地中海の港」 1650年頃 
イタリア沿岸の風景を想像で描いたものだそうです。着飾った美し
い女性、買い求めたばかりのワインの味を楽しむロバに乗った男
性、遠くの方には海で泳いでいる人の姿が見えました。私たちの
知っている印象派の 「明るさ」 にはほど遠いかもしれませんが、
青い空、遠景の港、古代ローマを思わせる神殿、鮮やかな衣装
の女性など、当時の人々にとっては、イタリアを感じさせるイメー
ジ満載だったのだろうと思います。でも左手にいる犬など、何か
物思いにふけっているようで、イタリア的楽天性はあまりないよう
な気がしますが、まあ、それも愛嬌でしょうか。 (笑)

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Ⅱ― 3  建築画家たち
オランダ美術の中で、特徴的な軌跡を残した建築内部風景。 この
「建築画」 と言われるものは、オランダでもほんのわずかな期間に
開花した絵画ジャンルだったそうです。

ピーテル ・ サーンレダム  「聖ラウレンス教会礼拝堂」 1635年 (左)
身廊と礼拝堂が交差する、この教会の複雑な建築構造を把握できる
位置が、鑑賞者の視点として選ばれています。画面はとても低い視点
から捉えられており、そのために床がほとんど視界に入らず、きっと巨
大な大絵画だったら、鑑賞者はあたかも自分が教会のなかを歩いて
いるかのような錯覚に陥る感じだったろうなぁと思いました。小さいな
がらも注目し甲斐のある不思議な作品でした。
エマニュエル ・ デ ・ウイッテ  「ゴシック様式のプロテスタント教会」 
1680~85年頃  (右)
このジャンルの絵を専門にする建築画家には、実在の建物を忠実に
写す建築画と、この絵のように様々な教会の一部を組み合わせて描
く建築画があったようです。華美な装飾や神の姿をあらわす偶像の代
わりに亡くなった人を偲ぶための紋章や碑文が、そして奥に見えるパ
イプオルガンもこの時代に教会に多く据えられたようです。説明では、
じゃれあう犬の足元はお墓のための穴のようで、墓掘り人は作業の
合間にちょっと一休みしながら、おしゃべりしているのだという。何とも
教会の作品に敢えて描くのが不可思議でもあり、また面白みもありま
した。それでも不思議。

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昼に観賞した友人は、混雑して思うように見られなかったとぼやい
ていましたが、静けさが漂う夜間は、まさに美術鑑賞にはもってこ
いですね。音声ガイドで音楽を聞きながらの鑑賞は最高ス。ちなみ
に、借りた音声ガイドは玉木宏さんがガイド音声でしたが、落ち着
いた声でなかなか渋かったです。

17世紀のオランダ絵画全盛時代に活躍した画家達の、いわばオー
ルスター展示会です。全48名、60枚の絵画が、ニューヨークメトロポ
リタン美術館、アムステルダム国立美術館、ロンドン ・ ナショナル ・
ギャラリー、個人所蔵等から集結しています。 サブタイトルどおり、
「17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち」 という意味では、まさに総
力を上げた特集であり、結果的には十分楽しめるものでした。

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Ⅱ― 4 海洋画家たち
世界を相手に繁栄をもたらした海洋貿易王国オランダ。国益を守る
ための海軍や海の交易ルート争奪のために海戦が起こるのもしば
しばでした。海や船をテーマにした絵画作品も大きな発展をみます。

コルネリス ・ クラースゾーン ・ ファン ・ ウィーリンゲン
「港町の近くにて」 1630年頃  (左)
オランダ経済にとって重要な役割を担った船舶の様子を鮮明に伝え
る絵だそうです。中央に武装した商船が描かれて、帆を張ろうとマスト
に登る船員、岸には捕獲した魚を運ぶ漁師たちの姿など、非常に丁
寧に描かれおり、活気ある港の空気を感じられます。浜辺で魚を運
ぶ漁師がいますが、オランダの海産物といえばニシン。何百隻もの
船団を組み軍艦に守られながら漁を行ったようです。ニシンのオイル
漬は、今日でも最もオランダらしい食べ物の一つ、食べてみたいね。
ウィレム ・ ファン ・ デ ・ フェルデⅡ世 
「ロイヤルプリンス号の拿捕」 1670年頃 (右)
真ん中の船には大砲が載せられた商業用の船で、海賊と戦うために
武装しています。ぼろぼろになった帆があらゆる方向になびいている
様子から、ロイヤル ・ プリンス号が座礁しているとの音声ガイドでした。
一番上のマストには、白旗を引き下ろそうと、ひとりの男が登っている
ところが描かれていて、近づいて見ると細やかに描かれ面白いです。
右側の小船にたなびく赤白青の旗はオランダの国際商戦である証で、
のちにオランダの国旗になったようです。

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Ⅱ― 5 静物画家たち
オランダ絵画の静物画には様々なものが写実的に細密に描かれて
います。これらの作品には漆器や陶磁器などの珍しい贅沢品も描か
れ、世界の遠方から珍しい物資が集まっていたことを反映しています。

ウィレム ・ カルフ  「貝類と杯のある静物」 1675年  (左)
中央にはネプチューンを象った銀杯、その周りには異国の貝殻、サンゴ、
東洋のものと思われる織物。おそらくは 「海」 をテーマに、珍しい輸入品
を並べ、それぞれの光の反射の描写などを楽しんで描いた感じがします。
カルフの貝のある静物画で現在知られているのは5点のみだそうで、そ
のうちの貴重な1点という。よく見ると貝のつややかさ、金属の光沢、そし
て絨毯の柔らかさなど質感を描き分ける技に目を見張るものがありました。
フローリス ・ ファン ・ スホーテン  「果物のある静物」 1628年 (右)
さまざまな種類の果物が強烈で鮮やかな色彩で描かれるのは、初期静
物画の特徴のようです。 外国産のブドウのような異国の果物が描かれ
ていることから、オランダの生活水準の豊かさも見てとれます。スホーテ
ンは、静物画のみならず、さまざまな野菜が並び、召使いのいる台所画
まで描いたようです。どうやったらこんな風に描けるんだろうと思い、絵の
細部をよく見てたら、フルーツが虫食いや傷みまで精緻に描かれていて、
目を楽しませてくれました。(笑)

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Ⅱ― 6 肖像画家たち
肖像画はいつの時代にも描かれてきたのは、王侯貴族や権力者で
した。しかし、オランダの肖像画には自身や家族や一族の記録や誇
示のため需要は高く、画家たちも生計のためもあり、描かれました。

フランス ・ ハルス 「ひだ襟をつけた男の肖像」 1625年  (左)
モデルは若く流行に敏感な人物で、当世風の手法で描く画家を求め
ていたようです。ハルスの描くこの男性は、「まるで窓枠の向こうから、
こちらに語りかけてくるようで、モデルを写し取る独特のタッチに肖像
はまるで呼吸しているかのように見える」 と音声ガイドで説明されて
いました。そして、「胸に充てた手の輪郭がぶれていて、まるで動い
ているように見える」 とも。確かに楕円の枠組みの中に描かれている
ことで、窓越しにモデルを見ているかのような印象は受けます。 でも
呼吸とか、動いているように見えるの? ちょっと首を傾げながら私は
音声ガイドを聞いていました。(笑)
イサーク ・ リュティックハイス
「女性の肖像 (エリザベート・ファン・ドッベン)」 1655年 (右)
描かれている女性は大変若く、20歳前後のような印象を与えています。
飾り襟と袖口にあしらわれた白いレースの描写の非常に繊細なことに
驚き、ダイヤモンドの耳飾りも豪華なのに控えめで、とにかく全身から
放つ品格がすごい。 その美しく白い顔と豪華な衣装が非常に巧みに
捉えられているため、モデルは、この肖像画に満足したに違いない。
洋服の素材感の表現が繊細で、しばらく絵の前で見とれちゃった。

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大航海時代、オランダの商人たちはアジアやアフリカから新大陸
まで、まさに七つの海をまたにかけて活躍していました。 そして黄
金時代を築くほかにも陶磁器などがオランダにもたらされ、静物画
に盛んに描かれています。当時の日本は鎖国中だったが、オラン
ダは唯一の交易を許された西洋の国でした。 拠点は長崎の港に
作られた小さな出島、未知の国日本からオランダにもたらされた銀
や陶磁器そして和紙。あのレンブラントも和紙の風合いを気に入り
版画に繰り返し使っていたというではないですか。

六本木まで行けばフェルメールの 「水差しを持つ女」 に会える。
彼女の方からわざわざ日本にやって来てくれたようで嬉しくて嬉しくて
たまりません。 正直言います、「好きです」 この作品。 「真珠の耳飾り
の少女」 や 「牛乳を注ぐ女」 といったフェルメールの代表作と肩を並
べるどころか、構図や作品全体のバランスなどトータルで見ると、この
「水差しを持つ女」 は、最も優れた作品ではないかと思います。フェル
メール作品の中でも1位、2位をあらそうほど完成度の高いものです。
お待たせしました。今回の看板娘 「水差しを持つ女」 を堪能ください。

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Ⅱ― 7 風俗画家たち
オランダの風俗画は、人気分野の一つで、代表的な画家を多く輩出
し、世界的に有名な画家の目を通して、当時の日常生活を垣間見る
ことができます。そこには様々な意味や教訓を読み解く面白さがある。

ヨハネス ・ フェルメール   「水差しを持つ女」  1662年頃
今回の展示会の主役、フェルメールの 「水差しを持つ女」。日本初公
開です。入り口から40数枚の絵を見てから 「まだかな~」 と焦らしきっ
たところで満を持しての登場でした。が、すごく小さい絵です。40セン
チ×40センチ位の作品で、これは混雑時は背伸びしないと見えなそう
な感じでしたが、目の前でゆったりと鑑賞出来ました。間近で見られる
幸せ、美術鑑賞は人の少ない夜間に限りますね。

窓から光が差し込み、朝の柔らかい光が部屋に満ち溢れ、白い布に光
りが透けそして陰になりその微妙な様子が伝わってくる感じです。女性
の頭を覆う白い布がパリッとノリがきいた洗い上がりで、コテがきちっと
当てられた清潔感が伺え、たまらなく好い。「女性のありふれた日常が
永遠に時を止めたかのようだ」 と解説されていましたが、絵から発せら
れる名画の持つ力に圧倒されました。

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実際に観ると画面で観るよりもっと青みがかて観えます。画面全体が
青で蔽われていると言っても過言ではないかもしれません。 フェルメ
ールは絵の下地にも当時金と同じくらい高価だった天然のラピスラズ
リを用いたようです。その下塗りの青が歳月を経て表面に露出してき
てしまっていることもあるのでしょうが、それでもこの絵の青はとても
素敵で純粋に綺麗と感じてしまいます。

女性の水差しを持つ二の腕が白すぎる気がしたが、光を忠実に再現
すればこの白さしかないのだろう、それくらい光の自然現象に対して
正確で疑いもなく公平なのだと名画の前で納得しました。光を受けた
女性の白いスカーフの表現は見事ですね。(上左)
女性が身にまとっているスカートはフェルメールの代名詞ともいうべき
ウルトラマリンを使って描かれています。この天然のラピスラズリから
作る青は 「フェルメールブルー」 とも呼ばれているようです。(上右)
タペストリー布が映り込んだ水差し皿。 女性が左手に持つ、よく磨か
れた光沢感の強い銀の水差しの皿に映り込む、テーブルに掛けられ
たタペストリー布の類稀な反射表現は、否が応にも観る者の視線を
水差しへと向けさせます。(下左)
壁に架けられている地図は実際に存在するもので、この地図は現在の
オランダとベルギーにあたる地域である十七州が描かれているようです。
その地図と同様のものがオランダのライデン大学に現在も所蔵されて
いるらしいです。(下右)

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ピーテル ・ デ ・ ホーホ
「女性と召使のいる中庭」 1660-61年頃 (左)
描かれているのは、オランダの冬の昼間、家の中庭で皿に魚をのせ
ているところの召使いと、毛皮の飾りがついた暖かそうな上着を着た
女主人です。この家のご主人様でしょうか、お帰りらしく向こうから歩
いて来る姿が見える。当時の日常の一コマなのだろう。デ ・ ホーホの
静けさに満ちた日常と繊細な光の表現はフェルメールにも影響を与
えたといわれています。日本初公開
ヤン ・ ステーン  「恋の病」 1660年頃(右)
叶わぬ恋に苦しみ、悲壮で深刻な表情を浮かべる若い娘とは対照的
に、それを診断する医師は極めて冷静に対応する姿で描いています。
医者が腕を取っているが、さすがに恋の病には打つ手がないようです。
左上には愛のキューピットが矢を構えているのですが・・・・。この医者
はニセ医者で恋する乙女と医者の往診はこの時代の人気のテーマで、
絵の中に物語を作るのが上手な画家だったようです。
そういえば、こんな民謡がありましたね。

 お医者様でも 草津の湯でも ドッコイショ 
      惚れた病は コーリャ 治りゃせぬょ チョイナ チョイナ 

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Ⅲ レンブラントとレンブラント派
オランダ黄金時代の巨匠のひとり、レンブラントは数々の名作を生み
出し、工房を持ち、そこからは巣立った弟子たちが、師匠に並ぶ名声
を得た人もいます。師匠の描いた手本をもとに多数のバリエーション
を制作しました。

レンブラント ・ ファン ・ レイン  「 ベローナ」  1633年
古代ローマの戦いの女神 「ベローナ」 を描いたこの作品は、今回の
展覧会のもうひとつの主役で日本初公開となります。鈍く輝く鎧を身
に着け、手には盾、見たものを石に変える怪物メリューサの首が飾ら
れています。そんな猛々しい装いながら女神の表情は、穏やかで優し
い印象を与えます。 当時オランダはスペイン独立交渉真っただ中で、
「戦う準備はできている」。この絵にはそんな意味が込められているの
かもしれません。レンブラント27歳、若き画家の意気込みが感じられ
ると解説されていました。

ものものしい鉄鎧に身を包んでいるにもかかわらず、このベローナの
柔和で弛緩した表情が何とも対照的。後ろの方で、女神じゃなくて普
通のオバちゃんだよなぁとの話し声が聞こえてきました。やっぱりどこ
にでもいそうなおばちゃんに感じて苦笑い。だよねぇ~。(笑) この作
品は少し離れて見ると、光陰のコントラストがハッキリ感じられました。
レンブラントお得意の光と影の演出が素晴らしい一枚でした。

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ヘラルト ・ ダウ
「窓際でランプを持つ少女 (好奇心の寓意)」 
1660年  (左)
会場でひときわ小さい作品で、この絵だけが透明なケースでカバー
されていました。多分あまり小さいので人々が良く見ようと近づきすぎ
ない様にと思ったのですが、傍の係員に尋ねると、「ただお借りした美
術館でされていたままの展示」 ですとのことでした。窓から乗り出さん
ばかりの少女をランプのかすかな光が照らす。何を見ているのだろう ?
この窓の下にロミオがいるのだろうかと、見る人に物語を感じさせます。
葉書よりもう少し大きいくらいの魅力的な絵でした。
カレル ・ ファブリティウス
「アブラハム ・ デ ・ ポッテルの肖像」
 1649年 (右)
数いるレンブラントの弟子の中で天才と評されるファブリティウスです
が、これはレンブラントの工房を離れたころに描いた肖像画。緻密に
書き込むというよりは、さっと絵の具を載せるような独特の筆さばきで、
今にも動き出しそうな活気に満ちています。絵の右上にモデルの名、
そして画家の署名と制作年が記された側に釘が一本描かれている。
その効果で塗り残しのある無地の背景がまるで本物の壁のように見
えると音声ガイドで説明されていました。この時27歳だった若き画家
は5年後に不慮の死を遂げることになります。

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「ヨハネス・フェルメール」
彼が師事した画家は定かでなく独学であったと思われます。彼の
作品は生涯で37点ほど制作したと思われています。43歳で亡く
なってから作品は忘れられ、しばしば他の画家の作品と誤解され
ていた様ですが、19世紀中頃、フランスの美術評論家から存在
を大々的に広まり、再び名声を得て、今も尚多くの美術愛好家を
魅了しています。「光の画家」 として知られる。
「レンブラント ・ ファン ・ レイン  」
オランダ黄金時代の巨匠のひとり、レンブラントは数々の名作を生
み出し、現在でも多くの人々に感銘を与えています。光と影を描く
独特な技法、ドラマチックな構図や描写、レンブラントは工房を持ち、
そこから弟子たちが巣立って行きました。肖像画で評判をとり名家
の娘と結婚、晩年は経済的に困窮し、深い精神性を讃えた人間像
を数多く遺しました。その行く末は順風満帆であったといいます。

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Ⅳ オランダ黄金時代の終焉
17世紀末になると、多くの巨匠と傑作絵画を生み出したオランダ
絵画の黄金時代は往時の勢いを失っていきます。 それに呼応す
るかのように、絵画の世界でも次の時代へと移ってゆき、オランダ
絵画もその独特の特色が消え終焉を迎えるのです。

アルノルト ・ ハウブラーケン
「イビゲネイアの犠牲」 1690-70年
展覧会の最後を飾るのは 「イピゲネイアの犠牲」 のみ一点だけが
展示されていました。ギリシャ神話、トロイア戦争の中のエピソード
を描いた作品で、国の存続のために娘を生贄として差し出さなけ
ればならない王の悲劇の物語が描かれています。新たな古典主
義への回帰を予感させながら、1枚だけで黄金時代の最終章を
閉じます・・・。少女の犠牲の絵で終わるのは、「オランダ黄金時
代の終焉」 を示しているのかもしれませんね。

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今回の展覧会は 「フェルメールとレンブラント」 オンリーの展覧会
だと早とちりしたのですが、もちろん、この展覧会のメインはフェル
メールとレンブラントでしたけれども。見終わった後、一言先に苦
言を呈すると、美術展タイトルである 「フェルメールとレンブラント」
が1枚ずつしかなかった件。いや、フェルメールが寡作なのは知っ
てましたが、せめてレンブラントを数枚取り寄せるとか、もうちょっと
頑張って欲しかったです。 さすがに本命が1枚ずつっていうのは
美術展タイトルが独り歩きして誇張されすぎのような気がしました。
展示会タイトルに 「フェルメール」 って入っていたら人が集まります
からね。・・・・・というのが観賞した仲間との感想です。

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実はこの 「水差しを持つ女」 は、フェルメールのエース級のエース
ですから日本には来ないのでは、とずーと思っていました。現在フ
ェルメールの作品は37点残っていますから、私にとっては18作品
目の出会いです。全点踏破は、まだまだ先の長い話ですね。個人
的には、長い間、恋い焦がれた恋 人「水差しを持つ女」 に会えた
喜びが大きかったです。 100年もの間に、これだけのレベルの
画家たちが同時期に大活躍したのは、流石に当時の大覇権国。
宗教画ではない日常風景や人物、建築画など様々なジャンルで
の職人芸を楽しむことができました。今年初めての美術鑑賞は
満足でした~。






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