一ヶ月に2回満月を迎える月を「ブルームーン」という。 そのブルームーンを見ると願い事が叶う・・・・。






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「サザエさん孝」

...2015/06/07 08:40...

水無月。
水の無い月と書くが、水が無いわけではありません。
水無月の 「無」 は、神無月の 「な」 と同じく 「の」 に
あたる連体助詞の 「な」 で、「水の月」 という意味のことです。
6月になると、そろそろ 「梅雨」 という言葉が気になってきます。
雨が降らないのも困りますが、梅雨の時期のように毎日降ら
れるのも、やはりやっかいですからね。

東京では来週らしいと、天気予報のお姉さんが話して
いましたが、沖縄地方では一足早く梅雨の最中です。
そんな沖縄地方の梅雨にまつわる話として 「ユドゥン」 という
言葉があるようです。 「ユドゥン」 とは石垣島で梅雨を表す
言葉として使われたものだそうです。言葉の意味は、
渋滞するとか、よどむという意味があるそうです。

よどむ → ユドゥン  でしょうか。

発音は近いですから、言葉が変化したもののように思えます。
さて、このユドゥンには他にも 「休む」 という意味があるようです。
よどむとか、停滞する状態を 「休んでいる」 と見る考えは理解
出来ますね。石垣島での梅雨はこの 「休む」 と関係あるそうです。
では、梅雨の時期は石垣島では何が 「休む」 のかというと、それは
昴 (すばる) です。枕草子に 「星はすばる」 と読まれたあの昴です。
昴はおうし座のM45。プレアデス星団と呼ばれる散開星団です。

昴は、五月の半ば頃になると太陽に近い場所に見えるので、太陽
が沈む頃に同時に沈み、太陽が昇る頃太陽と一緒に昇ってきます。
つまり、5~6月頃は昼間にしか空に昇らないのです。
昼間では空には太陽があって明るく、星の姿は見えませんから、
昔の人は昴が見えないこの間を 「昴」 が休んでいると考えたのでしょう。
昴はお休み中。人より大分早い夏休み(梅雨休み?) 中です。

辺りが暗くなって、畑仕事を終えて家路に向かう頃、西の空には
間もなく沈もうとする昴を見て、ああ、もうすぐ梅雨の時期だなと思い、
一日の仕事を始めるためにまだ薄暗い早朝に外へ出ると、しばらく
目にしなかった昴の姿を東の空に見ると間もなく梅雨明けかと感じる。

昴が夜空に 「出勤」 しない休みの時期を知って、それを 「ユドゥン」
と呼んだ時代。そんな時代があったことを、この言葉が記憶して
いるんですね。

さて、
このところ休日は外出が多かったので、今日はのんびり家で
過ごしたい気分でしたが、知人の誘いで出かけてきます。
相変わらず休日でも、ゆっくり休めない私です。 皆さんは・・・・・・

Have a fun holiday  ( 楽しい休日を ! )


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「サザエさん孝」

「最も長く放送されているテレビアニメ番組」 として、ギネス
世界記録に認定をされている 「サザエさん」 が放送されてから
45周年になるという。 先日、帰宅したら娘が見ていたので、
夕食の前でもあり、久しぶりに一緒に見てしまった。
いつも暖かさと楽しさと、そして平和な家族の代表のように、
誰からも愛され、親しまれている “いい家族サザエさん" だ。

見るたびにサザエさんの夫、マスオさんの事が気になる。
マスオさんは今の時代、生きにくいタイプの人間だと思います。
欲を持たない。才能以上にお金を欲しがらない。
等身大の人生です。波平、フネさんに気を使いながら生き
ている。でも、こういう家族の中で生活することで、知らない
ことは教えてもらえる。

決して現状に満足をしているわけではないが、短い人生
じゃないですか。人の物を奪ってまで自分が幸せになるのは
よくないでしょう。マスオさんはそう考えているのだと思います。
マスオさんに限らず、サザエさん一家は自分以外の価値観を
認める家族です。相手の思っていることをおもんぱかる。
心のキャッチボールというのがなされています。
お互い欠点をさらけ出すことも必要でしょう。

家族とは非効率的で、生産性が悪く、不合理なものです。
だからこそ、心のキャッツボールが大切なのです。
言葉には温度があります。相手のことを考えて、
適温で手渡すことを忘れずにしたいものです。

戦後、豊かになった分、物の消耗品が多くなりました。
それだけ物の使い捨ても多いということです。
例えばキャベツを買って野菜炒めを作ったら、その残り
でロールキャベツを作ったり、何か別の利用法を考える
のが普通でしょう。その努力を忘れている気がします。
欲しい物だけ手に入れればいいという感じです。
だからこそサザエさんの存在価値があるのだと思います。

世の中という入れ物には、悲しみと喜びが半分ずつ詰まって
いると恩師に聞いたことがあります。悲しみがふたつ続くと、
もう今の人は挫折してしまう。でも例えば雲を突き抜けて上空
に舞い上がれば、いつも青空、太陽がさんぜんと輝いています。
悲しみは雲の下の出来事で、いつも上空には青空があることを
忘れています。どうも人間、鳥観図で世の中を見ることを忘れて
しまっていると話していました。

捨ててしまった日常の中に、いいものはいくらでもあります。
単に見えなくなっているだけかもしれません。
家族とは何といいものなのだろう、と分かり合えるように
なりたいものです。 見失った風景を探してみたい。
サザエさんを見終わった後、ふと、そんなことが気になりました。


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 「ルーヴル美術館展 」 ― 国立新美術館 ―  
   ― 風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄 ―

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日本でも人気の高いオランダの画家、ヨハネス・フェルメールの作
品などが出展される大規模な 「ルーヴル美術館展」 が東京で開
催されていました。普段はフランスのルーブル美術館でしか見られ
ない貴重な絵画です。見に行きたいとは思ってもフランスまで足を
運べない・・・・・。 日本に居る今のうちに本物を見ておきたい。
やっと開催終了間際に行ってきました。今回も美術展の紹介です。

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乃木坂駅口も正門側のチケット売り場も行列でした。(下) 国立新
美術館では珍しい長い行列でした。来場者数50万人を突破しました。
人気のほどがうかがえます。

東京 ・ 六本木にある国立新美術館は、5館目の国立美術館として
平成19年 (2007) に開館。延べ床面積は日本の美術館としては最
大の47,960平米、設計は故黒川紀章氏です。展覧会の開催、情報
収集およびその公開、教育普及などを目的として設立されたため、
美術館としては自前のコレクションを持たない。そのため、ミュージ
アムではなくアート・センターを名乗っています。

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誰もが知っているフランス・パリにあるルーヴル美術館。
絵画や彫刻、版画など、所蔵している美術品の数は計り知れない
ほどで、来場者数は世界一を誇る。その、ルーヴル美術館の絵画
たちが東京の国立新美術館にやってくる。ルーヴル美術館だから
こそ実現できる “史上空前の風俗画展” になるという。

「ルーヴル美術館展」
( 日常を描く―風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄 )
会期     2015年2月21日(土) ~ 6月1日(月)
会場     国立新美術館 企画展示室1E(東京・六本木)
観覧料   一般 ¥1.600  大学生 ¥1.200  高校生 ¥800
        中学生以下無料

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各国、各時代の名風俗画を鑑賞しながら、その時代や国へとタイ
ムスリップする。そんなことが可能になるくらい絵画の世界へ引き
込まれる、ルーヴル美術館でしかできない体験を日本で出来ます。
待ちきれない展覧会となりそうです。

第一・二プロローグ
このセクションでは、17世紀フランスにおける歴史画・肖像画 ・
風景画・静物画・ジャンル画の5つのジャンルの代表作品が紹介
されていました。中世のヨーロッパでは、絵画制作は職人の手仕
事と考えられていましたが、ルネサンス期を迎えると、絵画の地
位を高めるために、画家は古代史や神話など学識を要する物語
を描くべきだとする理論が、イタリアで生まれました。 その中で、
今回のテーマである 「身近な人々の日常に着想を得た絵画」 に
は、長らく決まった呼び名もなく、無視されつづけてきたようです。

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ジョゼフ=マリー ・ ヴィアン   「アモルを売る女」  1763年
説明によると、古代ローマ期にナポリ近郊グラニャーノの遺跡から
発掘された壁画を版画家ノリーが写した銅版画に基づいて制作さ
れた作品で、高貴な女性へ行商人がローマ神話における愛の神
アモル (キューピット) を売る場面が描かれているそうです。

左側に羽をつまみながら籠からクピドを取り出し、高貴な婦人の前
へ差し出す行商人と、右側には取り出されたクピドへ興味深く視線
を送る上品で裕福そうな身なりの女性と、付き人の女性が描き込ま
れています。セールスを受けている上流階級の女性はぜんぜん無
関心な表情をしているのに、背後にいる女性が天使に興味津々な
表情をしているのが面白い。これからこの小さなアモルは成長して
「愛の弓矢」 を撃てるようになる、とか話しているのでしょうかね ?

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リュバン ・ ボージャン 「チェス盤のある静物」 17世紀前半 (左) 
この作品は絵画のジャンルの説明をしてくれる序盤のコーナーで
『静物画』 の紹介作品となっていました。触覚 (トランプ、ビロード
の巾着、チェス盤)、味覚(パン、ワイン)、嗅覚 (花)、聴覚 (マン
ドリン、楽譜)、視覚 (鏡) といった具合に人間の五感の象徴とし
て描かれているそうです。明らかにテーブルの上の風景としては
不自然なこの構図から 『絵って少ない文字に作者の思いを凝縮
させた俳句の様にキャンバスに込められたメッセージボード』 だっ
たりするんだなぁって感じた作品でした。 ボージャンの静物画は
現存するのが4点のみということで、この作品はその中でも代表
作とされているそうです。

ヘリット ・ ファン ・ ホントホルスト 「抜歯屋」  1627年 (右)
この絵は抜歯屋とその歯抜きに釘付けになっている観衆が描かれ
ています。今から歯を抜かれそうな患者の目がまさに泣きそうな表
情もさることながら、痛みに耐える患者を見物する観客から スリ を
働こうとする人物の姿まで描かれています。(左側) 端的に歯を抜
くという行為が示された一枚に、何と不穏なドラマが隠されているの
でしょうか。18世紀には、人前で歯をペンチで引っこ抜く時に盗人
とグルになって盗人行為をする偽医者がいたらしいのです。

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このルーヴル美術館からやってくるのは、史上風前の数の著名な
“ 風俗画 ”。 「風俗画」 とは、日常生活を題材として描かれた絵画
のことで、制作された社会の状況や世相を反映してる。 そのため
描き方や表現方法は時代 ・ 地域によって様々。 ルーヴル美術館
の所蔵数だからこそ実現できる16世紀初頭から19世紀半ばまで、
約3世紀半にわたるヨーロッパ風俗画の多彩な展開を、約80点の
名画によって紹介されます。

第一章  「労働と日々」 商人、働く人々、農民
歴史画が過去の出来事、誰もが知る物語や歴史上の有名な人物
を描き出すのに対して、風俗画がとりあげるのは、同時代の無名の
人々のささやかな日常の一コマでした。こうしたありふれた日々の
営みのなかで、商人や農民から、家事にいそしむ女主人や使用
人、物乞い、大道商人にいたるまで、さまざまな職業に従事する
人々の日常に題材を得た作品を紹介していました。

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クエンティン ・ マセイス   「両替商とその妻」 1514年  (左)
両替商の夫妻。 夫は机上へ無造作に積まれた金貨を手に天秤
で量っています。 少し身を乗り出しながら見やる妻のまなざしは、
信心に根差した正しい商いをするよう見守っているようにみえます。
注目すべきは手前の鏡。部屋の別の方にあるであろう窓の傍に一
人の男が映っていました。さらに夫婦の後方の書類や本などが並
ぶ棚の右手のドアにも何やら忙しげに話す二人の人物が描かれ
ているのです。 鏡面やドアによって拡張する絵画空間、作品の
中にヒントをちりばめて、ある教訓に導いていく。まるで謎解きの
ようでもありました。きっと何かの暗示ではないかと思いました。

バルトロメ ・ エステバン ・ ムリーリョ
「物乞いの少年 (蚤をとる少年) 」  1647-48年頃  (右)
激しい光のコントラストにまず目が奪われますが、少年の足の裏
に注目です。 素足で歩いているのでしょう、土で汚れています。
服もよく見ると継ぎ接ぎだらけです。足元に散乱している小エビ、
籠からこぼれ出ているのは傷ついたリンゴです。解説では経済
活動が低迷し、親のない子どもたちが路上に溢れていた過酷な
現実と同時に、貧者や病人を救うことで自らの魂も救済されると、
キリスト教の慈善の精神の表れと見て取れるという。 貧しさが
リアルに伝わってくる絵の一つだと思います。

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今回の美術展は5月中旬の時点で50万人が訪れたそうです。
2012年のオランダのマウリッツハイス美術館の ”真珠の耳飾りの
少女” のときほどのインパクトはないかもしれませんが、世界に30
数点しかないフェルメールの作品をおがめる数少ない機会です。
ルーヴル美術館を離れることがほとんどない作品のひとつだ。この
機会を逃したら、日本で見られる日はなかなか来ないかもしれない。
フェルメールの作品の大きな特徴は独特の“静けさ”です。強い自
己主張や見る者を驚かすような派手な表現はありませんが、宗教
や神話ではなく、日常生活を題材にしているのも身近に感じられ
る理由だと思います。

第二章  日常生活の寓意 ― 風俗描写を超えて
風俗的場面を歴史画のように描いた作品、歴史画でありながら風俗
描写の際立つ作品、あるいは、寓意や象徴的意味が託された作品
など、 日常生活の再現描写を超えた風俗画の典型的な作品が紹介
されていました。寓意を担う風俗画のなかできわめて独自な位置を
占めるのが、フェルメールの 《天文学者》 です。いきなりこのコーナ
ーにありびっくりしました。日本初登場となります。

ユダヤ系の銀行家一族のロートシルド(ロスチャイルド)家旧蔵だった
ものをナチス・ドイツが略奪したといういわくつきの名画で、ルーヴル
美術館に2点しか無いフェルメール作品のひとつのようです。

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ジャン=バティスト ・ グルーズ  「割れた水瓶」  1771 年 (左)
ベルサイユの薔薇などを読んだことのある方はご存知だと思います
が、フランス王ルイ15世にはデュバリー夫人という愛人がいました。
そのデュバリー夫人が持っていて特に気に入っていた作品と言われ
ています。古代から水瓶は女性の象徴とされています。その水瓶が
割れてしまっていて、服は乱れ、花は散っています。何を表している
のかよくわかりますね。少女は動揺し涙に濡れた目で茫然と私たち
を見つめています。乱れたブラウスは・・・このことは彼女の失われた
純潔を物語るのです。正直、この美しい女の子にそんな意味合いが
込められているの!?? と驚かされました。

「瓶をあまり泉にもっていくと遂には砕けてしまう」 という古いことわざ
があります。何度も同じ危険を冒すと、遂には身を滅ぼすという意味
です。作者は、この絵でわずかな気の緩みから処女を喪失した少女
を表し、貴族のようにだらしない生活をしていると駄目だという、市民
階級にむけた教訓を示しているという。しおれた野バラは少女が失っ
たものを物語っているのだそうです。ちょっと考えさせられる作品です。

レンブラント ・ ハルメンスゾーン ・ ファン ・ レイン
 「聖家族」 または 「指物師の家族」  1640年 (右)
17世紀オランダの巨匠レンブラントが手掛けたこの作品は、幼子
イエスに授乳する聖母マリア、マリアの母アンナ、そしてイエスの父
ヨセフからなる聖家族を表したもののようです。光と影の効果や物語
の一場面を描くような演出はバロック絵画らしい手法ですが、美化す
るのではなく、普段の人々に写し重ねて描く感覚は、当時のオランダ
の空気を感じさせるようでもあります。全体的に薄暗い雰囲気の中に、
光がリアルに描かれていて、この光と影の対象的な感じの作品ですね。

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ニコラ ・ レニエ  「女占い師」  1626年
「抜歯屋」 の絵と同様に教訓的意味性の強い作品をもう一枚。
右の貴族っぽい女性が客で、左の女性が占い師です。色の白い
世間知らずの娘の手相を読むふりをしています。その間に、もう
一人の年増女が手を伸ばして娘の財布を盗もうとしています。
油断できない世の中ですね。・・・と、思っていたら、羽のある帽子
を被った色白の男が、占い師の背中の雄鶏を盗もうとしているの
です。騙されることへの注意、騙すものもまた騙されるという、二
重の警告が描かれているんだそうで、これは 「盗人が盗まれる」
という寓話を基にしていると解釈されていますが、さしずめ 「追剥
の上前をはねる」 といったところでしょうか。面白い絵ですね。

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     ヨハネス ・ フェルメール 「天文学者」  1668年 
今回の美術展の最大の目玉で、17世紀オランダを代表する画家、
ヨハネス ・ フェルメールの傑作 『天文学者』。この油絵は、ユダヤ
系の銀行家一族のロートシルド家に旧蔵され、第二次世界大戦中
にヒトラー率いるナチス・ドイツに略奪されたそうです。そんな数奇
な運命を経た後、終戦後に発見され、元の持ち主の手に戻り、ル
ーブル美術館へ寄贈されたとのこと。同館に所蔵されるフェルメー
ル作品は、2009年に来日を果たした 『レースを編む女』 と 『天文
学者』 の2点のみ。そのためルーヴルを離れることは極めて稀!
日本で鑑賞できるのはまたとない機会なのです。 待望の初来日。

室内に拡散する窓からの光、天球儀や布の上にきらめく白い粒
のような反射光など、フェルメールならではの繊細な描写が素晴
らしいです。思ったより小さかったです。描かれる男性は、東洋の
着物風ガウンを羽織っています。フェルメールには、描かれた人
に想いを馳せてしまう作品が多いように思います。とくにこの天文
学者は、東洋と西洋の知と、天上と地上の知のまじわり。その交
差する地点に立って、万物の知を統べるような雰囲気さえ漂わ
せています。

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フェルメールは青の色使いが印象的ですが、この青はウルトラマリン
という色で、ラピスラズリという宝石に近い鉱石が原料となっている。
当時は大変高価な絵具だったらしいのだが、フェルメールは借金を
してまで、この青を大胆に使っていたことから 「フェルメールブルー」
とも呼ばれていたようです。学者が着ている服、実は日本の着物だ
と言われています。日本の着物は、17世紀に東インド会社によって
持ち込まれ、富豪や貴族がステータスとして身につけていました。
フェルメールは、こうしたモチーフを描き、世界の覇者となったオラ
ンダに絵の中で喝采を浴びせていたのです。

第三章  雅なる情景 ― 日常生活における恋愛遊戯
恋の戯れは、古今東西、あらゆる時代のあらゆる人にとって、ささや
かな日常に彩りを添えてくれる営みといえるのではないでしょうか。
日々の暮らしに題材を得る風俗画においても、男女の恋愛沙汰は、
主要なテーマのひとつでした。 この章では、男女の恋の戯れを、
日常生活における恋愛遊戯として描いた作品を展示していました。

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ピーテル ・ デ ・ ホーホ 「酒を飲む女」  1658年  (左)
日常の一コマを写しとったような情景を表しています。ですが、中央で
グラスを傾けている女性はかなり酩酊しているようであり、男性に意味
ありげな視線を投げている感じ。そのため、酒を飲んでいるのは実は
娼婦で、男性の後ろにいるのは取り持ち女ではないかと思われます。
これも男女の恋の戯れというべきでしょうか。ピーテル・デ・ホーホは、
窓のある室内空間に人物を配置する構図を確立し、3歳年下だった
フェルメールにも影響を与えたと言われています。 何気なく眠って
いる犬が、また可愛い。

ジャン=アントワーヌ ・ ヴァトー  「二人の従姉妹」  1716年頃 (右)
当世風に着飾った上流階級の紳士淑女の優雅な恋場面を描いた小さ
な作品です。「二人の従姉妹」と題されたこの作品は、男性から送られ
たバラを胸に飾っている女性と男性とは、おそらく恋人同士なのでしょ
うか。背を向けて立つ女性は、泉の中のビーナス像に視線を投げてい
ます。表情の見えないうしろ姿に一枚の絵からドラマが浮かび上がる
感じですね。18世紀のヨーロッパはロココの時代であり、絵画の主題
においても歴史画や宗教画から、男女の愛の駆け引きを主題にした
風俗画が目立つようになったようです。

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興味深いのは、この天文学者が身につけている変わった形の衣
服が、日本の着物に似ている点だ。フェルメールがこの作品を描
いたのは1668年とされているが、当時の徳川幕府は鎖国令によ
って外国との貿易を禁止していた。唯一の例外が長崎の出島で
のオランダ商船との交易だったため、着物が海を渡ったにちがい
ない。オランダでは着物を模した 「日本の上着」 と呼ばれるガウン
が、知識人や上流階級の間で流行していたそうです。

第四章  日常生活における自然
風景画と風俗画の特徴を合わせ持つ風景画や、働く人々のいる田
園の情景を描いた風景画を集めいて、田園的・牧歌的風景と風俗
的情景を抱き合わせた 「狩猟」 をテーマにした作品が多い見られ
ました。 狩猟は、王侯貴族や上流市民にとってはスポーツでしたが、
貧しい庶民にとっては生活の糧を得る手段でした。 そのため、狩り
の場面を描いた絵画には、時代や地域、階級差に基づく習慣や風
俗の違いを如実に見てとることができます。

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アンニーバレ ・ カラッチ  「狩り」  1585-88年頃  (左)
説明によるとカラッチ一族のなかで最も傑出していたアンニーバレ
は、宗教画や神話画を手がけるかたわら、日常的場面や風景も描
き、17世紀における風景画と風俗画の独立に大きく貢献しました。
この作品は、真摯な観察に基づく自然描写に、適度な理想化を加
えたアンニーバレの力量をよく示している作品のようです。 兄や
従兄も画家であり、西洋美術史では彼らを総称して「カラッチ一族」
と呼ぶことが多いようです。

ジャン ・ オノレ ・ フラゴナール
「嵐またはぬかるみにはまった荷車」  1759年頃 (右)
ぬかるみにはまり込んだ荷車を必死に押し戻そうとする農民や、動
揺する羊たちがちりぢりになるのを、ひとまとめにしようとする番犬の
動きが、空に流れる怪しげな雲を背景に生き生きと描かれています。
荒れ狂う嵐に立ち向かう農民たちの描写には、自然に対する人間の
日常的な戦いを読み取ることができ、雷雲の光の感じも凄く良いです。
手前には羊が群れ、嵐の前のざわめきが聞こえてきそうです。

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私たちは風俗画を通じて、時代も国籍もさまざまに異なる人々の
服装や髪形、生活習慣などを事細かに知ることができます。たと
えば、フェルメールの《天文学者》における学者は、日本の着物に
似た変わった形の衣服を身に着けていますが、当時、実際にオラ
ンダでは、着物を模した「日本の上着」と呼ばれるガウンが知識人
や上流階級の間で流行していました。ところが、風俗画は単なる
現実の記録ではなく、異なる時代のモチーフが描かれていたり、
より深い意味が込められていることもあります。現実と虚構が入
り混じる風俗画には、読み解きの楽しさがあります。

第五章  室内の女性
授乳する女性、読書をする女性など、室内における女性の日常生活に
題材を得た作例を紹介しています。 ごく私的な空間で日常的な行為に
ふける女性の姿は、とりわけ17世紀オランダや18世紀フランスの風俗
画に数多く見いだされますが、 注目されるのは、彼女たちの多くが、鏡
に映る自分に見入ったり、化粧をしながら胸を大きくはだけたりと、本来
であれば人目に触れることのないはずの姿をさらしていることです。
極めて官能的な作品もありました。

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ティツィアーノ   「鏡の前の女」   1515年頃  (左)
ブロンドの長い髪を手で束ねては鏡を見やる女性。肩を露にした姿、
左手を香水の瓶にのばしています。ティツィアーノは絵画によって理
想の女性美を示そうと描いたのがこの作品とされています。この女性
の金色に輝く髪、大理石のような白い肌といった特徴は、女性美を称
える詩人たちの常套句を連想させます。良く見ると背後の男性が両
手で前後に鏡を持っています。鏡はよく 「美のはかなさ」 とも結びつ
けられます。「両替商とその妻」 という作品でもそうですが、絵の中に
鏡が描かれていれば、そこに暗号めいたものがあるのでは・・・・と
期待してしまうのも、絵画の奥に込められたメッセージを読み解くと、
とても面白いですね。

フランソワ ・ ブーシェ  「 オダリスク」  1745年   (右)
イスラムの後宮の美女、という枠組みを用いて画家の妻を描いた
ともいわれるこの女性像。ほんのりとバラ色に染まるふくよかな肌
を惜しげもなく露わしながら、こちらを振り返る女性は、いかにもブ
ーシェらしい明るさと自由奔放な魅力にあふれています。女性特
有の柔らかさが心に染み入るが、かなりエロチックな覗き趣味の
画で、見ている方が恥ずかしくなる気がしました。「道徳心を欠い
た絵画」 として、激しく批判されたらしいこの絵ですが妙に納得。

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ヨハネス・フェルメールの 「天文学者」 が特に注目を集めている美
術展。春休みは高校生も無料だったそうですが、それにしてもフェ
ルメールの人気は凄まじいものがあります。世界に三十数点しか
現存しないとされるフェルメール作品のうち、日本で展示されたの
はこれで20点になるとか。“全作品制覇”を夢見るファンも多い中、
近年の来日ラッシュで日本から出なくとも相当数、鑑賞できたこと
になります。私も結構見ていますね。

第六章  アトリエの芸術家
展覧会を締めくくりは、画家たちが自らの職業をテーマにした作品、
すなわち、アトリエでの芸術家を描いた作品の紹介でした。いずれ
においても共通するのは、 絵画制作を単なる職人芸ではなく高度
な知的活動とみなすルネサンス以来の芸術家像の強調、さらには
画家という職業への誇りや自負の表出がうかがえることです。

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ジャン ・ シメオン ・ シャルダン 「サルの画家」 1739-4年頃 (右)
17世紀のフランドルでは人間のさまざまな行為を猿に託して描くこと
が流行し、18世紀のフランスでも多くの画家たちがこの主題に手を染
めました。アトレエで制作に励む画家も、しばしば猿として表されました。
この絵の面白いのが、”画家は目の前にあるものをそのまま描くのは猿
まねと同じだ”というメッセージが込められているそうです。これも”寓意”
という言葉にぴったりの作品です。

ユベール ・ ロベール
「ルーヴル宮グランド・ギャラリーの改修計画」  1798年頃  (左)
フランス革命の後、ルーヴル宮殿は王室美術コレクションを公開する
ために改修工事が行われ、1793年に正式にルーヴル美術館として
開舘しました。ユベール・ロベールはこのルーヴル美術館の整備と
運営に深く関わっており、なんどもルーヴル宮のグランド・ギャラリー
を描いているようです。また、彼は崩れかけた古代建築の趣に富ん
だ景観を描くことが得意で、「廃墟のロベール」と呼ばれていたそう
です。 大きなアトリエともいうべきルーヴル宮のグランド・ギャラリー
で模写をする画家たちを描いた作品によって、この展覧会が締め
くくられています。

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若いころ画家への夢を絶たれたヒトラーは、自らの 「総統美術館」
設立を構想。ナチスとフェルメールといえば、幹部のゲーリングが
贋作をつかまされた事件も有名だが、ヒトラーも希少な作品を力ず
くで獲得しようと、1940年のフランス侵攻の際 「天文学者」 を押収
したわけです。ヒトラーは 「天文学者」 を手にしたとき、何を思った
だろうか。天球儀に触れる男の姿に、世界征服をもくろむヒトラー
の野望を重ねてしまう。もちろん、そんな見方をフェルメールは許
さないだろう。そんな思いで 「天文学者」 を鑑賞しました。

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歴史画は偉大な人物の誰もが知る物語を描くが、風俗画は知らな
い人々の取るに足らない様子を描いています。昔の人々はそうした
絵画に「日常生活」と言う共通項があることになかなか気づかず風
俗画と言うジャンルの確立は遅かった気がします。個人的に気に
入った絵画はジャン=バティスト・グルーズの「割れた水瓶」でした。
表情になんとも言えない思いが浮かんでいると思いました。

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今回の美術展は1階のホールAを8つのゾーンに分けて風俗画が
展示されていました。全部で83点。見ると結構な量でさらっとみて
も、結構な時間がかかりました。最大の目玉となった 『天文学者』
は、周りを囲んで近くで見る人と背後でじっくり見るとに分かれてい
て、混雑していましたが、みなさんの関心の高さを実感しました。

音声ガイドは通常は1種類なのですが、今回は通常版とコナン版の
2種類がありました。コナンバージョンはジュニア向けと大きく書かれ
ていて、受付のお姉さんに 「一般版ですよね?」 と言われたので、
えっ―、と戸惑いました。そんなに若く見えるかな~。(笑)
様々な美術展に足を運んでいますが、やっぱフェルメールの絵は、
“一味” 違いました。 とても興味深く鑑賞でき楽しめました。
今回、50万人の来場者だなんて、フェメールの人気に恐れ入った。





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